せっかく作成したコンテンツ、読み手にきちんと届いていますか?
第1回目の記事では、バナー・ブラインドネス問題を解決する手段として、コンテンツ型ネイティブアドに寄せられる期待について解説しました。今回は、制作したコンテンツのディストリビューション(distribution/読み手に情報を届けること)について考えていきましょう。
米CMIの定義によると、「コンテンツマーケティングとは、適切で有益なコンテンツを制作・ディストリビュートするテクニックです。その目的は、見込み顧客のことを理解し、明確に定義することで、見込み顧客の興味を引き、エンゲージメントを深め、購買に結びつく行動を促すこと」とされています。
つまり、コンテンツマーケティングは、コンテンツを制作するだけでなくディストリビューションまで綿密に設計しなければ成立しません。しかし、多くの場合は、コンテンツ制作に注力する一方で、ディストリビューション設計が疎かになりがちで、結果として「いいコンテンツは出来たけれども、誰にも見られず埋もれてしまう」ケースが散見されます。
ディストリビューション戦略がなければ、コンテンツマーケティングは成功しない
popInの調査では、オウンドメディアの月間のトラフィックは数10万PV規模のケースもあれば、1,000PV以下の小さな規模のケースまで様々です。ここで伝えたいのは、規模が小さいオウンドメディアはコンテンツ制作に力を入れていないかというと、そうではないということです。実際には著名タレントを起用したコンテンツを作成し、月に10本弱の記事を掲載するなど質・量ともに力を入れているオウンドメディアの月間のトラフィックが100~10,000PV程度という事例もあります。つまり、ディストリビューション設計を疎かにしていると、いくらコンテンツ制作に力を入れても施策としては失敗に終わってしまうのです。
ではオウンドメディアのコンテンツ・ディストリビューションはどのように設計すればよいのでしょうか。そのヒントを探るために、2013年12月より会計ソフトや確定申告ソフトを提供する弥生株式会社が運営するオウンドメディア「スモビバ!」について、同社 マーケティングコミュニケーションチームの鈴木仁氏と塩崎智史氏にインタビューを行ってきました。