多くの企業でインバウンドマーケティングが課題になっている
━━はじめに、ブランディングテクノロジーの事業内容と仲松様のミッションについてお聞かせください。
ブランディングテクノロジー 仲松佑弥氏(以下、仲松):当社は中堅中小企業向けにデジタルマーケティングの伴走支援を行う会社です。私が管掌するデジタルマーケティング事業では、中堅企業を中心に、デジタル広告の運用代行を主軸に、それに紐づく制作業務、SEO・MEO支援、SNS運用などの支援を行っています。

2014年に新卒入社。デジタルマーケティングの営業職を経験し、現在は管掌役員としてデジタルマーケティング事業全体を統括、運用部門や納品部門の責任者も兼任
━━BtoB事業者においてもマーケティングの必要性は浸透しつつありますが、貴社では既にインバウンドマーケティングに注力されているようです。取り組まれるようになったのにはどのような背景があったのでしょうか?
仲松:当社に限らず、一番大きな転換点はコロナだったと思います。それまで当社はテレマーケティングや各地への訪問営業など、アウトバウンドを中心に営業活動を行ってきました。しかしコロナ禍で、一気にアウトバウンドでの営業機会が失われる事態になりました。そこから、インバウンドマーケティングをしっかり取り組んでいこうという方向に変わっていきました。
リードが商談に結びつかない現象の背景にあるもの
━━Cone社では企業向けにインバウンドマーケティングを支援されていますが、課題を抱える事業者にはどのような共通項がありますか?
Cone 佐藤立樹氏(以下、佐藤):まず、テレアポが中心だった企業が多い点が挙げられます。コロナ禍で取引先の担当者がオフィスにいなくなり、テレアポでは商談が作れなくなってきたという課題を抱えるお客様が多くいらっしゃいました。

全事業の経営面を担当。b-posではビジョン設計や既存顧客への提供価値向上のためのプラットフォーム改善を中心に行っている
佐藤:次の段階の課題としては、一旦インバウンド施策を実施し始めたものの、それが商談化しないというケースが非常に多いですね。ウェビナーやホワイトペーパーといった施策でリードを獲得したものの、それが商談に結びつかないという課題を抱えています。
この背景には、「コンテンツリード」と「サービスリード」という2種類のリードの違いが理解されていないことがあります。
「コンテンツを読みたい、内容が知りたい」という気持ちで個人情報を提供したリードはコンテンツリードと言い、サービスのことをまだ知らないため商談化しにくい傾向にあります。一方、サービス情報や導入事例の資料をダウンロードした人はサービスリードと呼ばれ、課題解決のためにサービスを取り入れようとしているため商談化しやすいのです。

佐藤:この区分が理解されていないまま、基礎知識的なホワイトペーパーなどを作って商談化を期待するため、うまくいかないケースが多いと感じています。
━━ブランディングテクノロジーでは、インバウンドマーケティングを本格的に開始するにあたり、BPOサービスに特化した比較サイト「b-pos」を活用されたと伺いました。貴社が比較サイトを検討し、導入した経緯を教えてください。
仲松:導入にあたっては、既存の大手比較サイトも検討しました。しかし、そのほとんどが「リード単価」での課金体系で、ニーズの濃淡に関わらず、1リードあたり一律の料金が発生する点が使いづらいと感じていました。