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アンケートや会員情報などの膨大なマーケティング情報を短時間でデータ化! 「KAMIMAGE」の活用術

 アンケート回答や会員情報など、マーケティングには有効だが取得に手間取る情報を、短時間で得られるシステム「KAMIMAGE」。その開発の背景と可能性を、株式会社うるるの星知也氏と野坂枝美氏に伺った。

プロセス自体を変えてしまえばいい

 アンケート回答や会員情報などは、マーケティングに有効ではあるが取得に手間がかかる。それを、タブレットのフォームを使うことによって短時間で得られるソリューション「KAMIMAGE(カミメージ)」をご存知だろうか?

 タブレットを使って手書き入力したデータが、クラウドワーカーによって入力され、データ化するというもの。従来、入力業者にデータ化を外注すると納品までに1週間から10日程かかかっていたものが最短10分程度で完了するという、革新的なサービスだ。アンケートや会員登録、申し込み用紙など、フォームは自由にカスタマイズできるため、幅広いシーンで活用できる。

 今回、同サービスの開発背景と可能性を、KAMIMAGEの開発・提供を行う、株式会社うるるの星知也氏と野坂枝美氏に伺った。

代表取締役社長 星知也氏、第1事業本部 CGS開発部 プロジェクトリーダー
株式会社うるる 代表取締役社長 星知也氏(左)
第1事業本部 CGS開発部 プロジェクトリーダー 野坂枝美氏(右)

 同社は主婦や高齢者など、会社に勤めることが難しい人でも気軽に働くことができるよう在宅ワーカーのスタンダード化を目指し、様々な事業を展開している。その一つに、クラウドソーシングサイト「shufti(シュフティ)」がある。Shuftiの登録会員は約12万人。このリソースを活かした新規事業としてスタートさせたのが、タブレットフォームシステムKAMIMAGEだ。

入力代行業務でつかんだ、企業のニーズ

 KAMIMAGEが開発された背景には、ユーザーに共通したニーズがあると同社星氏は語る。「当社は創設時よりデータ入力業務のBPO事業を行ってきました。そのなかで、多くのお客様から納品をもっと早くできないかというご相談を受けてきました」(星氏)

 納期短縮の課題は、同社だけに限ったことではないという。通常、データ入力業務を外注する場合は、外注先にデータを入力してほしい書類を送り、書類をスキャニングして、デジタル化するデータの仕様を決めて、入力する必要がある。複数のステップがあるため、納品まで時間が必要なのだ。

 しかし、データ入力を依頼する企業はもっと早く、データ活用をしたいと考えている。例えば、ビッグサイトで開催される見本市など、イベントブースの中で取られるアンケートだ。イベントに出展した企業は、その日のうちにアンケート結果をデータ化して、翌日もしくはイベント終了後すぐにリード獲得のアプローチや、見込み層の分析をしたいといったニーズがある。

 「ビジネスの流れは速まる一方です。納期に1週間もかかっていては遅い。データ活用までに間が空いてしまいます。この点を解決したいと考えました」(野坂氏)

従来のプロセス自体を変えてしまえばいい

 そこで、同社が行き着いたものがペーパーレス化だった。紙の代わりにビジネスシーンでも利用が増えている、タブレットを活用することで時間的なムダを排除することができる。「そもそもアンケート用紙や会員登録用紙を、集めたり送ったりする作業があるため、納品までの時間が延びてしまうのです。それならば、そこをショートカットすればいい。しかし、手書きのニーズもあるため、その機能もつけて、どんな方でも使えるインターフェイスにしました」(野坂氏)

 また、紙を使わないため、各店舗で取ったアンケートを本部に送付する際のコストも不要となる。タブレットさえ置けば、送信ボタンを押すだけで、瞬時に本部へ送ることができるのだ。

 またKAMIMAGEの場合、データの入力もshuftiを通して、速やかに在宅ワーカーによる入力が始まる。約12万人が対応するため、大量のデータ入力依頼が来たとしても、ごく短い時間でデータ化は終了する。「これまでの、プリントをつくって、配布して、記入してもらって、回収して、入力会社に渡して、1週間かけて納品、という長いプロセスが大きく変えられます」(野坂氏)

 BPOによる15,000件以上の入力業務に対応したからこそわかる、確かなユーザーニーズを基に、サービスは設計されているのだ。

顧客の取りこぼしを防ぎ、売り上げに直結させる

 KAMIMAGEには、マーケターが歯がゆい思いをしがちな、顧客やニーズの取りこぼしを防ぐ効果もある。同社の調査によると、紙とタブレットの記入率を比較した際、タブレットの方が約1.5倍記入されやすいと結果が出ているという。

 また、よりダイレクトな機会損失の防止にも効果を発揮する。例えば、アパレルショップの会員登録は店頭で完了せずに“自宅に戻ってから、ネットで登録する”ケース。会員カードは受け取ったものの、結局そのまま放置してしまった、という経験をしたことはないだろうか?

 「店頭にKAMIMAGEを設置することで、簡単に登録を完了させられます」と星氏。さらに、タブレットを利用するため、入力後に簡単なゲームを用意して景品を提供したり、タップで商品の説明を表示させたり、動画を流したりと、紙では実現できないコンテンツの提供も可能だという。「単純な回答率や登録率のアップだけではなく、最終的にエンゲージメントにつなげることも可能なのです」(星氏)

 もちろん、企業が運用する既存システムとの連携も可能だ。KAMIMAGEで入力されたデータと、自社のCRMを連携させれば、さらに幅広いデータの利用が実現する。

データ化精度99.98%の秘訣とは

 しかし、誰でもできる在宅ワーカーがデータを入力するとなると、気になるのが品質面だ。その対策はどうなっているのだろうか。

 「基本的に、同一のデータを2名が入力します。そこで間違いがあれば第三者が入力し、さらに最後のチェックが入ります。2人が全く同じ誤入力をしない限り、ミスは発生しない仕組みです。どのような入力代行会社でも、全くミスが無いというのはありえません。ですが、我々はBPO事業でのノウハウを活かして、入力精度を99.98%まで高めています」(星氏)

 さらに、在宅ワーカーはほぼ100%日本人の構成であることもポイントだという。入力代行企業によっては入力をオフショアしている場合がある。そうなると、日本語の細かな文脈を理解できない。そのため、アンケート用紙などをスキャンした際に潰れた等、視認が難しい文字は入力できずスキップされてしまう。

 「せっかくデータ入力を依頼したのに、戻ってきたものは虫食いだらけで使い物にならない。残念ですが、そのようなケースは珍しくありません。KAMIMAGEの場合は日本人が文脈を理解して、読みにくい文字も前後から予想して入力できます。国産で安価かつ正確であることが強みだと考えています」(野坂氏)

具体的な施策を導くためのソリューション

 「まだまだ、KAMIMAGEでできることは沢山あると思っています」と野坂氏。データの集計・分析にも対応することで、具体的な施策に落とし込めるようなソリューションを目指し、現在準備中だという。

 また最後に星氏は、利用シーン拡大にも意欲を見せた。「“紙をKAMIMAGEに置き換えられること”は、アンケートや会員登録以外にも様々なものがあります。KAMIMAGEにはデータ化の速さ・正確さに加えて、フォーマットのカスタマイズの容易さというメリットもあります。これらを武器に、利用シーンを広げて、多くの方のお役に立ちたいと考えています」(星氏)

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この記事の著者

東城 ノエル(トウジョウ ノエル)

フリーランスエディター・ライター
出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2015/05/15 11:00 https://markezine.jp/article/detail/22378