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定年退職後も仕事を継続する人が多数派に【電通総研「シニアx働く」調査】

2015/07/06 08:30

 電通総研は、「シニア×働く」調査を実施した。超高齢社会が進行するなか、定年後もシニア層のスキルや経験を生かして働き続けられる社会づくりは極めて重要だ。本調査では、50代後半に就労経験のある60~69歳の2,600名の男女を対象に、仕事や働くことへの意識や満足度を調査した。

 調査結果では、60代の半数以上が働きたいと思っているものの、その約3割が働いておらず、特に60代後半では働きたい人の約半数が働いていないことがわかった。一方で、働きたくない60代の4人に1人が働いていることが明らかに。また、現在働いている人の働き方に対する満足度は高くなっていたが、シニア層は仕事に大きな期待をせず、「働けるだけで満足」という気持ちを持つ人もおよそ半数にのぼった。

定年退職後も仕事を継続する人が多数派に

 50代後半に働いていた60代男女2,600名のうち、「定年退職」を経験した人は、男性の約8割、女性の約4割。定年退職年齢は男女とも平均60~61歳。

 定年退職経験者に、定年後の仕事継続状況を聞いたところ、男性の約72%、女性の約55%が定年後も働くことを継続。男性は60代前半・後半にかかわらず7割以上が定年後も仕事を継続し、男性にとっては、一回「定年」しても、働き続けることが常態化しつつあった。また、定年後引き続き働いている人のうち、過半数(56.6%)が「再雇用契約をして同じ会社やグループ会社」で働いていた。

60代後半の働き方は「アルバイト・パート」が主流

 男性60代前半の約3割は「無職」であるが、60代後半には63.5%と無職率が倍増。女性も同様に、「無職」は12.6%から22.3%に、「専業主婦」は32.8%から49.1%へと増加した。この結果、働いている女性の割合は60代前半の54.6%から60代後半の28.6%へとほぼ半減した。

 60代男女に現在の職業について聞いたところ、性別や年齢(60代前半と後半)で大きく異なった。男性60代前半は、働いている人のうち「正社員」が46.7%で最も多く、以下「契約社員・嘱託社員」(31.7%)、「アルバイト・パートタイム」(14.0%)が続いた。しかし60代後半になると、「正社員」は約2割(21.1%)、「契約社員・嘱託社員」は27.0%になり、「アルバイト・パートタイム」が33.8%となった。一方、女性は60代前半・後半での変化はあまりみられず、働いている人の約7割弱(67.1%)が「アルバイト・パート」だった。

働きたい理由、60代前半は「お金」のため

 「現在、働きたい」と思っているかどうかでは、男性の57.2%、女性の54.0%が「働きたい」と回答している。性年代別にみると、男女とも60代前半は「働きたい」が約6割。60代後半になると「働きたい」人が減少し、「働きたくない」人が増加した。特に女性60代後半は「働きたくない」が過半数(51.7%)となった。

 働きたいと思っている人の理由としては、男性では、60代前半は「家計・生計のため」が62.3%と最多に。以下、「元気なうちは働くのが当たり前だから」(47.7%)、「健康維持のため」(43.0%)が続くが、いずれも4割台にとどまった。

 60代後半になると、「家計・生計のため」は41.3%に減少し、「健康維持のため」が51.4%、「元気なうちは働くのが当たり前だから」(50.0%)が増加した。男性60代前半は「お金」のため、60代後半は「健康」のために働きたいと思っているようだ。

働いている60代は男女とも約7割が現在の仕事に「満足」

 現在、働いている人に、働き方への満足度を聞いたところ、男女ともに「満足している」は1割台だが、「どちらかといえば満足」が5~6割おり、両者を合わせると、男女ともに約7割が「満足」しているようだ。特に、男性60代後半は「満足している」(20.6%)、「どちらかといえば満足している」(54.8%)を合わせると75.4%となり、4人に3人が現在の働き方に満足していることに。60代後半は、女性も同様に満足度が高く、満足計が73.7%になった。

定年後の仕事は、おおむねイメージどおり。想定外は手取り収入の少なさ

 現在の仕事について、定年前の予想とのギャップについて聞いたところ、「ギャップあり」と回答したのは、男性37.5%、女性29.9%。男性の6割強(62.5%)、女性の約7割(70.1%)が「ギャップなし」(想像していたとおり)と思っていた。ちなみに「ギャップあり」が最も多いのは男性60代前半(39.6%)だった。

 現状の働き方などについて、定年前に思い描いていたイメージに合致しているかどうかを聞いたところ、仕事の楽しさ、やりがい、若い人たちとの関係性、1日の忙しさについては、「イメージどおり」が5割を超え、半数以上の人がイメージどおりと思っていた。一方、イメージどおりでないと感じていることは、「休みがとりやすいこと」「手取り収入が少ないこと」だった。

 ちなみに現在の給与について、60代前半は52.7%が「もっともらってもよい」と考えており、妥当だとする人は45.2%に。60代後半になると、「妥当」が57.7%となり、「もっともらってもよい」が39.6%になった。なお、今回の調査対象者の現在の手取り収入(1か月)の平均額は、男性60代前半で24.9万円、60代後半で18.8万円。女性は60代前半で11.9万円、60代後半で11.1万円。

男女とも「のんびり働く」ことが理想

 理想の働き方を聞いてみると、男性は60代前半・後半ともに「今まで培ってきた専門能力や知識を生かして働く」こと。以下、「給与は少ないけれどものんびり働く」こと、「自分の趣味を生かした職業につく」ことが上位に挙がった。

 一方、女性では、60代前半後半ともに、「パートタイムで比較的自由に働く」こと、「給与は少ないけれどものんびり働く」ことが上位に。男性では今まで培った能力を生かしたいと思う人がいるものの、男女とも「のんびり働く」ことを理想としているようだ。

【調査概要】
調査対象:
調査人数:2,600名
調査対象エリア:首都圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)、関西圏(京都府、大阪府、兵庫県)、中京圏(岐阜県、愛知県、三重県)
調査時期:2015年3月21日(土)~25日(水)
調査手法:インターネット調査
調査会社:ビデオリサーチ

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