博報堂内でインバウンド消費に関する研究を行う「インバウンド・マーケティング・ラボ」は、夏休みに並び需要が高い、春節期における東アジア 4 地域(中国・韓国・台湾・香港)の訪日観光客のインバウンド消費行動調査「IMBA(Inbound Marketing Breakdown Analyzer)」を実施した。今回の調査では特に中国人観光客の爆買いの実態が明らかとなった。
訪日中の消費額で最も多いのは20~40万円
中国人観光客の訪日滞在中の消費額は20万円~40万円が最も多く、他の国・地域と比べてもかなり高額な消費となった。また、40万円以上の高消費額帯には男性の割合が、14万円以下の中~低消費額帯では女性の割合が多く、男女間で差が生まれる結果となった。
約7割は訪日前に購入商品を決定している
購入商品決定のタイミングは訪日を検討する前が46.5%、訪日を検討し始めてからが26.9%と、訪日前に購入商品を決定している人が約7割という結果となり、買い物リストは訪日前に用意することがわかった。また、ファッション製品とトイレタリーカテゴリーに関しては、訪日後~店頭で決定している人が約半数おり(ファッション製品44.9%、トイレタリー47.3%)、訪日中に購入を決めるカテゴリーも存在した。
約6割は普段から使っているものをリピート購入
訪日中の購入商品についてこれまでの使用・購入経験を聞いてみると、約6割が今までに母国、もしくは日本で使用・購入したことがある商品を日本で購買し、初回購入よりリピート購入の方が多いことがわかった。
購入に重視されるのは「日本で買った方が安いか」
購入に重視する点を聞いてみると、「安全・安心であること(54.2%)」「コストパフォーマンスが良い(47.9%)」「価格がリーズナブル(46.5%)」という点が高く、「日本お土産の定番(31.7%)」や「『Made in Japan』である(25.1%)」「母国では買えない日本ならではの商品(18.8%)」といった日本ならではの商品化どうかのポイントが低く、中国人観光客にとっては品質の高い製品をいかに安く購入できるかが重要となっている。
商品購買決定の情報源はECサイトや旅行情報サイトのレビュー
どのようなメディアを見て購買を決定しているのか聞いてみると、「検索エンジン」「天猫(ティーモール:ECモール)」「自国の親族、知人(SNS・口コミ等)」「百度旅遊(旅行情報サイト)が上位となった。訪日中でも大きな差異はなく、これらに加え、「店頭スタッフ」「店頭POP」「Japan-i(無料ガイドブック)」が情報源となっている。また、検索エンジンでの検索結果を分析すると、旅行情報サイト内のコンテンツページが上位となり、個人の書き込み、記事が見られていることがわかった。
【調査概要】
調査期間:中国:2015年03月11日~03月19日、韓国・台湾・香港:2015年03月19日~03月31日
調査対象:合計1,000サンプル(直近3か月で日本に渡航し、かつ訪日時に購買経験有り)
調査方法:インターネット調査
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