SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

働き方に、もっと、自由を!「WHEREから始める」という新しい働き方

福岡市の、海から数メートルのオフィスで働く。 ウミーベ、カズワタベ氏が選んだ働き方


東京にしがみつく理由なんて別にない

 カズさんが働くオフィスは、ウミーベという社名通り、「海辺」としかいいようのない場所にあります。僕が訪れた時に見たところでは、波打ち際から数メートル。しかも福岡市の中心部から電車で20分程度。こんな場所は、東京近郊では、20分どころか2時間離れても見つかりません。今のところ僕自身は東京を離れるつもりはありませんが、「こんな場所で働けるなら」と、一瞬だけ心が揺れました。

佐藤:なるほど。で、その「地方都市でスタートアップ」の中で、なぜ福岡を選んだんですか?

カズ:自分は海なし県である長野県生まれで、海への憧れがありました。今回の会社でやろうと思っている事業内容も海に関連したものだったので、「ウミーベ」っていう社名が最初に決まっていた。そんな中で、福岡市は中心部から海が近くて海辺にオフィスが持てるうえに、空港が近いので月1程度東京に出張するのもとても便利だから選びました。

 会社自体もひとつのコンテンツであり、人に刺さるようなストーリーが必要だと思っています。であれば、ヒカリエで働いてます、とか、オフィスにビリヤード台があります、とかも、いまやある程度成功した企業の中ではそこまで変わったことではなく、海のすぐ脇にオフィスがある、っていう方が、ストーリーとして面白いし注目してもらえますよね。

佐藤:一般論として、働く場所としての福岡は、どうですか?

カズ:自分自身が東京にいたこと、あとは事業内容の選択で工夫したことで、ほとんどハンデは感じていません。仕事がインターネット関連だというのも大きいでしょう。インターネットは空間をやすやすと超えるから、地域格差を感じづらい。

佐藤:住む場所、暮らす場所としての福岡、と考えると、いかがでしょうか?

カズ:こちらも良いことばかりで、ネガティブな点は思いつかないですね。家賃は東京の半分、街がコンパクトで平地なので移動が便利、食べ物もおいしいし女性もキレイ。空港までだって天神あたりからタクシーで2,000円ほどですからね。唯一、東京の友達と月1度しか会えないってのはあるけれど、東京に住んでたってそんなに頻繁に会わないですしね。しいて言えば、美術館とかギャラリーの充実度は東京の方が勝っているけれど、それも月1で行けば、だいたいカバーできます。

佐藤:読者の中で、東京以外で働いてみたいと思う人に対して、何かアドバイスはありますか?

カズ:東京に住む必然性の無い人、東京に拠点を持つ必然性のない会社、って、実はけっこうあると思うんです。今は東京がブランド化し過ぎているけれど、東京にしがみつく理由なんて別にない。東京って、忙しくて競争が激しくて、なんだか住んでるだけで修行してるみたいじゃないですか。移住を考えているのならば、あれこれと悩む前に、まずやってみた方がいいと思います。今いる場所にいる方が慣れているのでラクに感じてしまうかもしれないけれど、実は心身に気づかない負荷がかかってる可能性がありますから。

日本の働き方がもっと自由になってほしい。働く場所を自分自身の意志で選び取る。今や「大企業に勤めて会社の命じるままに転勤を繰り返す」以外の選択肢が、実際に現実のものになって来ているのです。そしてまた、何も東京が悪いというわけではありません。でも、東京だけに固執する必要もないのです。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
働き方に、もっと、自由を!「WHEREから始める」という新しい働き方連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

佐藤 達郎(サトウ タツロウ)

多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論/メディア論)。2004年カンヌ国際広告祭フィルム部門日本代表審査員。浦和高校→一橋大学→ADK→(青学MBA)→博報堂DYMP→2011年4月 より現職。
受賞歴は、カンヌ国際広告祭、アドフェスト、東京インタラクティブアドアワード、ACC賞など。審査員としても、多数参加。個人事務所コミュニケーション・ラボにて、執筆・講演・研修・企画・コンサルなども。また、小田急エージェンシーの外部アドバイザー、古河電池の社外取...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2015/07/28 12:55 https://markezine.jp/article/detail/22829

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング