「あれ、会社勤務はどうするの?」長野県に引っ越すと聞いて、最初に脳裏に浮かんだこと
津田賀央さん36歳。奥さんと2人の男の子(6歳、3歳)との4人家族。広告代理店の東急エージェンシーでデジタル領域のプランナー/プロデューサーとして活躍した後、SONYの企画開発部署に転職した変わり種。国際広告賞(津田さんは釜山国際広告賞の審査員も務めている)などを通して旧知の津田さんから、この4月から八ヶ岳の近くに引っ越すと聞かされて、最初に僕の頭に浮かんだのは「会社勤務は?」ということでした。
聞けば、正社員から契約社員に移行し、週3日働くという形で会社勤務は続けながら、長野県富士見町に拠点を移す、と言います。いやぁ、自由だなぁ。面白い人がいるなぁ。素敵なチャレンジだなぁ。勤めている会社も懐が深いなぁ。そんな様々な想いが交錯する中、津田さんを訪ねました。
佐藤:富士見町に拠点を移すことになった、そもそものきっかけは何ですか?
津田:元々、山登りや山歩きが好きなのですが、一昨年の秋に家族で八ヶ岳でキャンプをしたんです。そこで奥さんと会話していて、「山の近くで働きたいね」「八ヶ岳に住みたいね」みたいな話になって。
佐藤:それってけっこう最近の話ですよね。ずいぶんと急展開じゃないですか?
津田:はい。その後、八ヶ岳の辺りに住んだり働いたりする方法はないかなぁと、なんとなくネットで調べてたら、いま住んでいる富士見町が、移住者に空き家を有利な条件で提供するホームオフィス・プロジェクトをやっているのを知りました。
佐藤:ほー、その募集に応募したんですか?
津田:いえ、応募の前に、プランナー魂みたいのが出ちゃって。大々的な告知をしているわけではなさそうですし、正直、ウェブサイトの案内もPDFの資料がのっているだけみたいな状況で。これは、改良の余地が大いにあると思いました。そこで、ウェブサイトの改良案も含めて、自分なりの企画書を書いて、メールで送ってみたんです。
佐藤:凄いなぁ。単なる応募者として始めずに、プランそのものに関わろうとする辺りが。で、反応は?
津田:すぐに丁寧な連絡をいただきました。そして、昨年の夏には町長にお会いすることになったんです。