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第107号(2024年11月号)
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データ活用の現場を直撃!(AD)

「お客様との長いお付き合い」実現はRFM分析だけでは足りない、ディノス・セシールが取り組む顧客分析

「食品カタログ」と相性の良い顧客は誰?

鳥塚:当社では他のカタログ施策でも、SASを活用しています。

礒野:例えば、インナーカタログ「セシレーヌ」は年間100万人のお客様がいます。一方で、食品カタログ「美味食いしん坊通信」のお客様は2万人です。そこで、2014年の冬に食品ジャンルのお客様を増やすために、チラシよりもページの厚いカタログを配ろうと考えました。その際、どのようなお客様に送付するのが良いのか、過去のチラシ配布の実績データをもとにSASで分析をしました。

内山:まずは過去に食品を購入された方が一番の有力候補ですが、それ以外の送付先をどうするかということですね。

礒野:その通りです。分析してみると、次に相性が良いのは「ビューティ&ヘルス」という、健康食品を掲載しているカタログのお客様でした。サプリメントなどが掲載されているので、食にも関心のある属性なのだと思います。さらに相性がいい人はいないかアソシエーション分析※にかけてみました。

 分析によって多くの属性が見えてきたので、相性が良かったなら10点というようにスコアリングをして、稼働率予測モデルを作成し、カタログを試験的に送付しました。そしてその結果を検証したところ、面白いことに、私の予想と近い稼働率になっていました。施策を実施する際には、点数化して80点以上の人は大丈夫、とすると上司も説得しやすく、自分でもわかりやすい。指標を一次元にすることで意思決定も早かったですね。

※アソシエーション分析:マーケットバスケット分析とも呼ばれる。「商品Aを購入する人は商品Bも買う傾向がある」といったように、2つ以上のアイテムの関連性ルールを探るための手法。

分析の秘訣は「とにかく使う、わからなかったらSASに聞く」

内山:先ほど人材育成の話題で、未経験の方が高度な分析を使いこなせるまでにある程度の期間がいるとのことでしたが、礒野さんご自身はそのために気を付けられたことはありますか?

礒野:とにかくSASを使ってみることですね。そして、わからないことがあれば、SASのコンサルタントの方にどんどん質問したり、要望を伝えたりしています。やはり、最初はどの手法で分析すればいいのか分からないことが多いです。施策で困ったらアドバイスをもらい、また、ツールの使い方が分からない時もその都度教えてもらいました。

使えるデータを増やしていきたい

内山:御社の今後の展望や、SASなどのベンダーに期待することをお教えください。

鳥塚:先ほどお話したように、コンピューターになじみの薄い社員もジョブローテーションでこの部署に配属されてきます。そのような社員も簡単に、できるだけ早く分析に取り組めるよう、より使いやすいものになっていくと嬉しいですね(笑)。

内山:はい、その点は弊社も非常に重要だと考えています。そのために、ツールをより良くするということもそうですが、お客様がツールを使いこなし、結果としてビジネス効果を出すところまで、当社コンサルタントによりご支援させていただくことも重要と感じます。その点は今後さらに強化していきたいですね。

礒野:また、当社としてはウェブとの連携も強化していきたいと考えています。ウェブだと、リアルタイムで多様なデータを取得できます。ですが、実現するためには、そもそものデータ設計からきちんとしたものにする必要があります。Googleなど社外の検索情報も取り入れながら、全体としていかに使えるデータにしていくかが課題だと思っています。

内山:おっしゃる通り、データをどのように揃えるかは非常に重要ですね。お客様がうまく分析に使えるように、我々ベンダーはデータの収集や整備の面でもお手伝いができると思います。ウェブのデータと既存のオフラインのデータを統合することで、新しい観点での分析ができるようになりますが、実際のところは各社なかなか進んでいない領域でもありますね。そうした新しい領域でも、御社のデータ活用を今後ともサポートさせていただければと思います。本日は、様々な知見をお話しくださり、ありがとうございました。

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この記事の著者

東城 ノエル(トウジョウ ノエル)

フリーランスエディター・ライター
出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2015/10/30 15:07 https://markezine.jp/article/detail/22950

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