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データ活用の現場を直撃!(AD)

「お客様との長いお付き合い」実現はRFM分析だけでは足りない、ディノス・セシールが取り組む顧客分析

 通信販売大手のディノス・セシール。セシール事業では10種類以上もの通販カタログを展開し、各顧客に適した領域の冊子を配布している。長期的な関係を構築し、継続的な購買を維持するためには、顧客分析が要となる。どのような試行錯誤をしているのか、同社の鳥塚氏と礒野氏に聞いた。

ディノス・セシールに聞く現場のデータ活用

 ディノス・セシールの鳥塚氏は、セシール事業の販促全般を担当する。特に既存顧客のリテンションを大きなミッションとし、同時に新規獲得や休眠顧客の掘り起こしも行っている。同社のメインアプローチはアクティブ顧客へのカタログ送付だが、最適なカタログの送付方法、つまり誰に・複数種類のカタログのうち、どの組み合わせを送ることが最適かを導きだすことが課題だという。

 そのための施策をデータベースマーケティング担当の礒野氏がメインで行っている。具体的には、データウェアハウス(以下、DWH)からの、顧客の性別、年齢、地域、受注明細、カタログ送付履歴などのさまざまな情報に基づき、定期的なものだけで10種類以上もあるというカタログの売り上げ規模にあわせてセグメントを複数作成、稼働率をあげるためのプログラミングや分析を行っている。このPDCAを管理しながらDWHのリプレイス業務や、2011年からはSASを導入したセグメント分析も担当しているという。

 今回、SAS Institute Japanのプリセールスコンサルタントとしてディノス・セシールを担当する内山氏が、同社の顧客分析に対する姿勢や課題、その解決法などを尋ねた。

右から、株式会社ディノス・セシール セシール事業ディビジョン業務推進本部 販売推進部 部長代行 鳥塚勅昭氏、同部販売推進課 磯野秀二郎氏、SAS Institute Japan株式会社 ソリューションコンサルティング第一本部 Customer Intelligenceグループ 内山剛氏
右から、株式会社ディノス・セシール セシール事業ディビジョン
業務推進本部 販売推進部 部長代行 鳥塚勅昭氏
同部 販売推進課 礒野秀二郎氏
SAS Institute Japan株式会社 ソリューションコンサルティング第一本部
Customer Intelligenceグループ 内山剛氏

内山:数年前からビッグデータやデータサイエンスなどのワードが取り上げられることが増えています。しかし、実際は何か大きな仕組みを導入するだけで実現・解決するものではなく、現場での取り組みが非常に重要だと思います。

 ディノス・セシールさんは弊社のマーケティング・ソリューション「SAS(R)Customer Intelligence」のなかでも「SAS(R) Marketing Automation」を中心にご利用いただいていますが、実際にどのような戦略のもと活用されているのか、お二人に具体的なお話を伺いたいと思います。

RFM分析では見えてこない、本当の優良顧客

内山:まずは、顧客分析について御社での位置づけや考え方をお教えいただけますか。

鳥塚:通販、ダイレクトマーケティングは購買履歴などのデータが取れるのが強みです。特に、店舗ではデータを取るのが難しかった時代から、我々はお客様のデータを蓄積していて、それが会社の財産になっています。ですから、ビッグデータといわれる前から、当社はデータの分析・活用をしてきました。その効率を高めるために、様々なツールを試しています。ただ、ツールを使いこなせる人材の育成など課題もあるため、すぐに結果に直結しないこともありますね。

内山:ツールを入れたからといって、すぐに大きな効果が出るわけではない。これは、伝統的に沢山の顧客データをお持ちで、既に多くの分析を重ねられてきたからこそ出てくるお話ですね。その意味で、御社は顧客分析に関してまさに第一線におられるものと思います。これまで、どのような分析の取り組みをされてきたのでしょうか?

鳥塚:当社は総合通販なので、取扱商品はアパレルや生活雑貨、美容、食品、サプリメントなど様々なジャンルがあります。そこで、お客様と複数の商品ジャンルでコミュニケーションを取っていくことを行いました。複数のジャンルでお買い物をしていただくようにすると、休眠化を防ぎ、長くお付き合いできるのです。

内山:RFM※スコアを見て、一番よく来てくれてよく買ってくれる人が優良顧客だ、という観点の話をよく聞きます。ですが御社の場合は、複数ジャンルでの購買に注目することで、優良なお客様を育てていくということですね。

※RFM:Recency(どれだけ最近か)、Frequency(どれだけ頻繁か)、Monetary(どれだけの金額か)の略。顧客の過去の行動について、この3軸で検討して優先順位をつける手法をRFM分析という。

礒野:我々も、過去のRFMを中心に優良顧客を定義していたこともありました。ですが、SASのコンサルタントと分析したところ、長期にわたってお取引が続いているお客様ほど、安定して毎シーズン買ってくださっていて、しかも年間の客単価は格段に高いことがわかったんです。逆に、金額が高くても年間に1度しかお買い物をされない方は休眠化しやすい。ですから、商品をコンスタントに、シーズンごとに買ってくださる方で、いろいろなジャンルの商品を買ってくださる方が一番良いという結論に至りました。

 そこで、顧客育成の施策も、例えばインナーを買ってくださったお客様なら、他のジャンルのカタログでも買っていただく、他のシーズンにも買っていただく、という複数の軸でアプローチすることが大切だと考えています。

内山:なるほど。そうなると、注目する指標も変わりますね。

鳥塚:はい。以前はシンプルに去年1年間での購入金額に応じてランク分けして、お客様を見ていました。しかし、これは必ずしも当社の優良顧客像を表現するには適していません。そこで、SASのコンサルタントさんと議論しながら社内向けの優良顧客の指標を設定しました。

礒野:例えば、10年連続で2万円ずつ購入されるお客様と、昨年入会されたばかりで、10万円のお買い物をされたお客様がおられたとします。これからもお付き合いをしていただけるかという視点で考えた時に、前者の方が将来的に期待ももてるし、安定感もありますよね。事業を続けていくうえではありがたいお客様です。しかし、鳥塚の言うように、年間ご購入額に沿った従来のランク分けではそこが見えない。

内山:確かに例にあげられたケースだと、短期間で見たとき、後者のスコアが高くなってしまいますよね。

礒野:経験上、新規のお客様の場合は、マネタリーよりもむしろリーセンシーやフリクエンシーの方が重要です。そしてさらに、当社にとっての優良顧客が明確にわかるように、複数のジャンルやシーズンをまたがって購入されているかという点を、加味しています。

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この記事の著者

東城 ノエル(トウジョウ ノエル)

フリーランスエディター・ライター
出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2015/10/30 15:07 https://markezine.jp/article/detail/22950

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