電通の海外子会社でメディア・コミュニケーション・エージェンシーであるCarat(カラ)は、全世界59地域から収集したデータを基に、2015年と2016年における世界の広告費成長率の予測を行った結果を公表した。
世界の広告市場は前回予測に比べ下方修正
2015年の世界の広告市場は、2015年3月の前回予測の4.6%増から4.0%増に下方修正。主な要因は、最近の中国とロシアにおける経済の減速によるものと同社はしている。その結果、2015年の予測される広告費は5,290億ドル(前回予測は5,400億ドル)となった。また2016年には4.7%の成長が見込まれ、さらに約250億ドル増加するとしている。
日本の広告市場は、2015年前年比1.4%増の予測
日本の広告市場に関しては、前回予測で2015年に予定されていた消費税増税が2017年に延期になったことに伴い、駆け込み需要のない広告市場は弱含みになると予想していた。しかし円安効果などにより、2015年上半期の日本企業の業績が予想を超えて好調だったことから、広告市場は引き続き緩やかではあるものの、前回予測を上回るレベルで推移すると同社は期待する。
予想を上回る勢いで加速するデジタルシフト
デジタルシフトに関しては著しい成長がみられ、世界の広告市場に占めるデジタル広告費の構成比率は、2015年に24.3%(前回予測は23.9%)、2016年に26.5%(同25.9%)と共に前回予測を上回る数字となった。同社では、オンラインビデオやモバイルに対する支出の増加が要因としている。
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