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Instagram活用企業特集

Instagramは好きなもので溢れる空間/企業の投稿に求めるものは「量より質」

 Facebook社が、日本では初となる公式のInstagram利用実態調査「Japanese on Instagram」の結果を発表した。調査からは、利用者がInstagramを「自分の好きな情報だけに触れられる場」と認識していることや、企業の投稿に対しても写真のクオリティの高さや内容の面白さを期待していることがわかった。

Instagramは「居心地の良い遊び場」

 2015年10月、Facebook社は「Japanese on Instagram」と題した、日本におけるInstagram利用動向調査の結果を発表(調査はカンター・ジャパンが実施)した。Instagramが公式に発表したユーザーの利用実態調査としては、日本で初めて。

調査概要
調査概要

 月間アクティブ利用者数が全世界で4億を超えるInstagramは、米国外からの利用が75%を占める。内、日本での月間アクティブ利用者数は2015年6月末時点で810万を達成している。利用者数の増加率でいうと、この1年で2倍になったという。順調に利用者を増やすInstagramだが、利用者はInstagramに対して何を求めているのだろうか? 様々な意見があるが、大きく分けると次の意見が多く見られた。

  • 自分のお気に入りの空間:自分の好きなもので溢れている
  • 好きな情報が見つかる:細分化された世界で、自分向けのコンテンツを発見・楽しめる
  • 本当に好きな人たちとのコミュニティ:気の置けない、少人数の友人で深くつながる
  • ちょっとした自慢が許される:センスの良い話題、おしゃれ・素敵と思うことを肯定してもらえる
  • ビジュアルファースト:テキストを書き込むのではなく写真を眺めることで気持ちが癒される

 利用者は自分の好きな芸能人や、「旅行」「食事」など興味のあるカテゴリーから、投稿されるビジュアルを主な選択基準としてアカウントをフォローする。そのため、常に自分の好きなものだけが溢れている状態がInstagramのタイムラインというわけだ。

FacebookとInstagramでフォローしているアカウント
FacebookとInstagramでフォローしているアカウント

 利用者から投稿される写真も、他のソーシャルサービスとの違いが見える。Instagramの利用者全体の6割が写真を投稿するが、そのうちの7割が加工を施した写真を投稿していることがわかった。「たくさん写真を投稿するのではなく、一枚の素敵な写真を載せたい・タイムラインを汚したくないという思考が見られる」と調査を行ったカンター・ジャパンの中川直美氏は語る。Instagramは発表の場と言い換えられるかもしれない。

 加えて、言葉ではなくビジュアルを介したコミュニケーションがメインとなるため、どこに誰と行って、どんな気持ちであるかをいちいち書く必要がない点も利用者に評価されている。文章を要さないため、“オシャレさ”や“ちょっと素敵な自分”といったちょっとした自慢をしやすく、見る側からも許容されやすい。

 具体的に利用者が投稿している内容は「友達」「料理とグルメ」「旅行」が多いが、興味・趣味の幅は広いこともわかっている。例えば、興味の上位にはファッション、音楽、料理&グルメ、ショッピング、旅行などが上がる(アンケート形式は複数選択可)。「複数回答のアンケートの場合、通常は3つ程度にとどまりますが、今回の興味に関しては、7項目ほど選択する方も多い点が特徴的でした」と中川氏。

 また、「スイーツとテーマパークを探すときはInstagramを見る」、「インテリアやファッションの参考を探す」といった声もありInstagramで得た情報を生活に取り入れる志向も見られる。

企業に求められているものとは

 上記のように現在、Instagramは利用者にとってノイズが少なく、自分の好きな情報を得られる場になっている。一方で、Instagramの広告商品は拡大傾向にあり、今後は企業による投稿も増えてくることが予測される。では、利用者が企業の投稿に求めるものは何だろうか? 調査の結果は「内容が面白い(46%)」、「写真が高品質(34%)」が上位を占めている。また、投稿頻度やフォロワー数はあまり重視されていないこともわかる。

 加えて、Instagram利用者の特徴として、企業の投稿への反応の高さもあげられる。企業アカウントの投稿に対して反応をするかどうかを聞くと、7割が「何らかの反応をする」と回答している。具体的には「いいね!などのリアクションをする(41%)」「コメントする(24%)」「情報や商品についてウェブで詳しく調べる(17%)」「商品を店頭などで手に取ってみる(11%)」と続き、企業からの情報にアクティブに反応する様子が見られる。

 Instagramを活用するうえでは、ターゲットとなるInstagramユーザーの興味をきちんと把握し、単純な広告アプローチとは異なるコミュニケーションを考える必要がありそうだ。

 ※サービスや事例を紹介した記事はこちら。ぜひ、あわせてご覧ください!

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この記事の著者

伊藤 桃子(編集部)(イトウモモコ)

MarkeZine編集部員です。2013年までは書籍の編集をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2015/10/23 15:30 https://markezine.jp/article/detail/23277

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