SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第99号(2024年3月号)
特集「人と組織を強くするマーケターのリスキリング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

Instagram活用企業特集

手に届くオシャレを意識し、アプリインストール11%向上!楽天「ラクマ」のInstagram広告活用

 Instagramの広告にはブランディング効果を狙ったものと、よりダイレクトな行動を促すDR広告の2種類がある。世界観を重要視する利用者が多いInstagramにおいて、DR広告を運用するためにはどこに気を使えば良いのだろうか?今回、実際にDR広告を活用している楽天の荻原康平氏に詳しい話を聞いた。

ラクマが利用したInstagramのDR広告

 「ラクマ」は楽天が提供しているフリマアプリ。出品手数料無料で、楽天スーパーポイントも使えるサービスだ。同サービスでは、2015年の秋から提供が開始されたInstagramのダイレクトレスポンス広告(以下、DR広告)を、スタート当初から利用しているという。

 Instagramは世界観を重視する利用者が多いなかで、DR広告はうまく作用しているのだろうか? 同社の荻原氏にInstagram広告の運用で注意している点や、運用の中で得た気付きについて話を聞いた。

楽天株式会社新サービス開発室荻原康平氏
楽天株式会社 新サービス開発室 荻原康平氏

――Instagramを活用しようと考えた理由は何でしょうか?

荻原氏:もともと、ラクマはユーザー数を単純に増やすだけでなく、利用回数を増やすことを目指して広告運用をしています。既に取り組んでいるチャネルも有効ですが、よりリテンションが高く、ブランドイメージを表現できるフィールドがないか探していました。

 ラクマのサービスを視覚的に訴えたり、扱っている商品をおしゃれに見せたいという気持ちがあったんです。そこでInstagramが良いのではないかと考えていた所に、タイミングよくDR広告が開始されるという情報をいただき、活用することを決めました。

――InstagramでのDR広告はスタート当初、利用者の体験損失を危惧する声もありました。手を出すのは勇気がいることではありませんでしたか?

荻原氏:あまりハードル高くなかったですね。私の所属する部署は、新サービス開発室といって、楽天のなかでも特にベンチャーマインドが求められています。スピード感をもって挑戦をする、ですから、何事においても走りながら考えて、その時に最適な施策を行う。結果が見えたら、それを踏まえてさらに最適化するという方針を持っています。ですから、まずはやってみようということで始めました。

――ぜひ、荻原さんが走りながら感じられたこと、改善されたことを伺えればと思います。今回のInstagram広告でのメインターゲットはどこだったのでしょうか?

荻原氏:ターゲットは20代の女性ですね。もちろん、男性もターゲットですがフリマアプリのメインユーザーが女性なので、彼女たちに振り向いてもらえるようにしました。弊社は楽天市場など既存のサービスがあるため、主婦層への訴求には強みを持っています。一方で若年層へのアプローチは、外部のチャネルを使って獲得することが急務でした。

手に届くオシャレ意識し、アプリインストール数は11%向上

――具体的にどのような広告を展開されたのでしょうか?

荻原氏:ラクマで取り扱っている商品を紹介するクリエイティブをフックに、アプリダウンロードを促すボタンが付いたDR広告を制作しました。

Instagram広告のクリエイティブ
Instagram広告のクリエイティブ

 気を付けたのは商品の見せ方ですね。世界観を崩さないようにしつつも、親しみやすい表現は何か頭を悩ませました。

 Instagramというオシャレな空気感を持った場所に、単純にフリマの商品を持ってくるとそぐわない。だからといって、ハイブランドのような憧れを訴求するとサービスとかい離してしまいます。手に届く、手触り感のあるオシャレは何かディスカッションを繰り返しましたね。

――紹介する商品はどのようにセレクトされたのですか?

荻原氏:売れ筋のジャンルを広告クリエイティブでも横展開しました。女性向けのファッション小物や、キッズ・ベビー系のグッズです。20代の若いママ世代に見ていただけるものを意識しました。実際に、キッズ・ベビー用品のクリエイティブへの反応が予想以上に良かったです。

 逆に実施当初に避けた商品は、オートパーツや大きいもの。女性が魅力を感じる部分や、「こうしたらオシャレに見えそう」という部分がすぐに見つからないものは避けました。

――広告の運用について詳しく教えてください

荻原氏:クリエイティブ自体はスタートの段階で20本以上用意しました。そこから1週間に1回のペースで数十本を投下して、効率の良い物を残しながらPDCAを回し、常に最適化された広告を複数本走らせています。

 KPIはCPIの下げ幅やインストール数などです。Facebookや他チャネルと比較するとCPIが約10%は改善され、インストール数も11%向上しています。当初の見積もりよりも非常に良い数字です。

次のページ
ハッシュタグの鍵は利用者がハラ落ちできること

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
Instagram活用企業特集連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

伊藤 桃子(編集部)(イトウモモコ)

MarkeZine編集部員です。2013年までは書籍の編集をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2016/02/19 10:00 https://markezine.jp/article/detail/23818

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング