早期退職して、シンガポールって、いったい何するのよ?
小木曽勝利(おぎそ・かつとし)さん、52歳。50歳の時に長年勤めていた広告代理店のADK(アサツー ディ・ケイ)を早期退職して、シンガポールに移り住みました。SNSを通して彼のシンガポール行きを知った僕は、「いったい何をするんだろう?」と不思議に思いました。
65歳ならアーリーリタイアメントでゴルフ三昧かと思っただろうし、30代なら起業か何かかと思ったはずです。でも、50歳でしょう?いったい何を?何もしないにしては若過ぎるし、何かするにしては年配過ぎるし。そんな時、小木曽さんが一時帰国するとの情報を得て、早速都内のカフェで話を聞かせてもらうことにしました。なんだか謎解きでもするみたいに、ドキドキしながら。
佐藤:どうですか?シンガポールでの暮らしは。
小木曽:いや、かなりイイですね。メンタル面も含めて、ここ20年でいちばん体調がいいんです。
佐藤:それは、すごい!いったい何をしてるんですか、シンガポールで。
小木曽:ちゃんと仕事、してますよ(笑)。現地に進出した日本のゲームソフト開発会社の役員をやりつつ、現地での起業アドバイスや調査もやり、日本でも友人と会社を立ち上げてます。
佐藤:へぇ、ゲームソフト開発会社が、どうしてシンガポールへ?
小木曽:日本のゲーム開発会社の問題は、日本以外で売る時に、言語の面でも文化の面でもローカライズしなければならないことなんです。この場面はどこどこの国だとNGだとか、そもそもの面白さが多くの国の人にわからないとか。ところがシンガポールで作ると、例えば、エンジニアはシンガポール人、グラフィックはタイ人、IT技術者はインド人という多国籍チームで、作りながらローカライズできちゃうんです。