Star動画を測る4つのKPI
この限界を乗り越えるため、ViibarではStar動画の力を測るに当たって4つの指標を用いています。具体的には、1.視聴回数、2.実質完全視聴回数、3.エンゲージメント数、4.態度変容です。これを図式化すると、下図のようになります。

これは、Star動画をブランドの伝えたいメッセージを運ぶ乗り物であると考え、1と2によって、どれだけメッセージが広く接触したかを測り、3と4によって、どれだけメッセージが深く刺さったかを可視化する、という考え方に基づいています。なお1~3については、事前にある程度目標設定可能な指標、4については目標というよりも事後的な確認となる指標としています。
1.視聴回数
1. 視聴回数は、前述のとおり色々な問題はあるものの、計測しやすく分かりやすい指標であるため、動画のメッセージに触れた可能性のある幅の最大値として確認しています。
2.実質完全視聴回数
2.実質完全視聴回数については、Star動画の多くはコンテンツ性を重視するが故に、動画の最後まで企業ブランドを明記していないことを踏まえ、どの企業ブランドが、どういう思いでStar動画を提供しているかということが明らかになる地点(多くの場合95%~98%地点)まで視聴された回数をカウントします。途中で離脱した人は、メッセージを受け取りきらなかった、というふうに考える訳です。
3.エンゲージメント数
3.エンゲージメント数は、Facebookのいいね、シェア、コメントや、Twitterのツイートなどの数字を足し合わせた数字で、つまり動画を視聴した結果、何らかのソーシャルなアクションを起こした人の数を示しています。
前回申し上げたように、Star動画は「視聴者のコミュニケーションのネタになる」ことが何よりも重要ですので、実際視聴者が動画に関して「コミュニケーションのネタにした」回数を示しているともいえるエンゲージメント数は、Star動画が成立したかどうかを示す最適な指標といえます。
4.態度変容
4.態度変容は、いわゆるブランドリフトとも呼ばれる指標で、広告に接触した群と、接触していない群における、ブランド・商材への認知度、関心度、好感度、利用意向などの違いを調査したものになります。
実施方法は簡素なアンケートから、調査会社による実接触者を対象とした調査まで様々で、予算や接触者へのリーチ制約などから選択することになります。態度変容を測ることにより、「結局Star動画が視聴者の心を動かしたのか」ということを可視化することができます。

動画の力を適切に可視化する
施策の評価を正当に行うことはマーケティングの基本です。過小評価も過大評価も、最終的な企業価値向上というゴールにとって、マイナスに働きます。
Star動画を使う際、きちんとその力を評価する方法を持つことが必要です。Star動画は、クリエイティブの内容によって深いメッセージを伝達する手法であり、視聴回数などの既存のKPIでは捉えきれない、視聴の質的な価値を示す指標で評価していくべきです。
続いて次回は、SHHIPにおける他の動画ジャンルも含めた評価のポイントについて、更に議論を進めていきたいと思います。
