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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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動画配信サービス戦国時代、それぞれの思惑に迫る

日本テレビ傘下の強みを存分に生かす、Huluの差別化戦略に迫る

KPIとして「アクティブユーザー数」も重視

MZ:現在注力している広告チャネルはありますか。

須田:基本的には、SEMやディスプレイ広告、動画広告、ソーシャルといったデジタルマーケティングはトータルでプランニングをして実施しています。また現在、登録数はもちろん、デイリー/マンスリーのアクティブユーザーを増やすこともKPIとしてプロモーション設計を行っています。

 日常の中で、自然とHuluを使っていただきたいので、無理に登録してもらうよりも、コンテンツが見たくなったタイミングで入っていただいた方がアクティブユーザーは増えると思っています。アクティブユーザーを増やす取り組みに関しては、プロモーション目線だけでなく、他の部署と連携して既存のユーザーの視聴動向や行動履歴等も分析した上で実施しています。

MZ:アクティブユーザーの増加によるメリットはありますか。

須田:アクティブユーザーの増加は、日本テレビの地上波の視聴率向上にもつながると考えています。例えば放送中のドラマでは、見逃し配信や関連する過去の作品を見て頂くことで、実際に家に居る時間には、配信ではなくテレビの放送を楽しむ方が増加する事になると思います。

MZ:ユーザーのアクティブ率を下げないために、何か行っている施策はありますか。

須田:サービスの利用頻度が下がらないよう、関連したコンテンツを見てもらう工夫を施しています。例えば、AKB48に関するコンテンツはドラマ・バラエティともに継続的に配信していて、「マジすか学園4」という番組は地上波で放送したものとは別に作成したスピンオフ動画や、マジすか学園1~3といった過去の作品の配信も実施しました。そして、続編にあたる「マジすか学園5」に関しては、Hulu独占配信を行うことで、改めて前作を見たユーザーに接点を作りました。

 他の場合でも同様で、ドラマなどの続編の配信が開始されたら、ソーシャルメディアやメールを通じてお知らせするようにしています。

レコメンドに必要なのは発信側の思い

MZ:アクティブ率を高めるには、継続的に関連したコンテンツを配信するのが大事ということですね。それに合わせて、コンテンツのレコメンドも重要になってくると思いますが、意識していることはありますか。

高谷:レコメンドに関しては、閲覧履歴に合わせて行うのはもちろんなのですが、自動化だけではダメだと思っています。弊社には各ジャンルの映像コンテンツに詳しい社員が集まっているので、人的にレコメンドも行うようにしています。

MZ:具体的にはどういうことですか。

高谷:例えば、2015年に亡くなられた水木しげる氏を追悼して、過去の関連作品をまとめた特集などを行いました。どうしても自動でレコメンドを行うと現在旬なコンテンツが出てくるだけになりがちです。そういった点から、発信側の思いを込めたレコメンドも行うようにしています。

Webならではのクリエイティブを探求する

MZ:今後の展望を教えてください。

高谷:2015年に「フジコ」という、殺人鬼がテーマとなったテレビでは放送しづらいコンテンツを制作しました。過激なテーマを取り上げる場合、地上波ではどうしても表現しづらい場面があると思いますが、この作品では一歩も二歩も踏み込んだ表現を多く取り入れました。今後もテレビでは表現しきれないコンテンツを制作していきたいですね。

 また、海外ドラマに関しても最新のものをどこよりも早く日本に持ってきて、Huluでなければ見れない作品を引き続き増やしていく予定です。

須田:宣伝周りでは今後Web専用の動画広告も進めていきたいと考えています。現在は、一部のコンテンツCMを除いて、基本はテレビCM向けに15秒、動画広告用に30秒と編集していますが、Webならではの視点や見せ方、面白いクリエイティブもあると思います。

 また、Huluで配信しているコンテンツに関係するイベントと連動した形での登録促進キャンペーンや、別の企業とコラボレーションしたプロモーション展開にも力を入れていきたいです。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/01/20 12:00 https://markezine.jp/article/detail/23697

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