NetflixやAmazonのプライムビデオの日本上陸をはじめ、動きが活発化している動画配信サービス。本連載では、動画配信サービスに取り組む企業がどう差別化を図っていくのかを探る。第一回目は2011年にいち早く日本でのサービス展開を始めた「Hulu」を運営するHJホールディングスの編成部 高谷 和男氏とカスタマーマネジメント部の須田 修一氏に現在の市場動向および同社のサービス戦略を聞いた。
動画配信も1つの大きなチャンネルに

編成部 部長 高谷 和男氏
MarkeZine(以下、MZ):9月にNetflix、そしてAmazonプライムビデオと定額課金型動画配信サービス(以下、SVOD)の日本市場への新規参入が相次いでいます。まず現在のSVOD市場の動向をどう見ていますか。
高谷:とても大きな可能性を感じています。市場の広がりはコンテンツ産業の活性化につながり、魅力的な作品が続々と生まれ、新しい技術の開発も進みます。また、テレビ番組のタイムシフト視聴も増えてくる。「定額・見放題・マルチデバイス視聴」が特色のSVODは、生活の中でより存在感を増していくと思っています。
MZ:タイムシフト視聴の浸透がさらに進むことで、変わる点はありますか。
高谷:コンテンツの価値がさらに多様化していくと思います。テレビ番組の接触率は増え、好きなアニメやドラマを一気見できるなど、ユーザーとコンテンツの関係はより密になります。それによって新たな広告価値も生まれるかもしれません。地上波・衛星放送のテレビ局、SVODといった発信しているのがどこかは関係なく、いかにいいコンテンツがあるかが重要になってきます。 制作者にとっても、リアルタイム視聴率を目的としない新しい挑戦ができます。
MZ:日本へのサービスの新規参入が相次いでいるのをみると、日本市場はSVODの事業者にとって大きい市場だと感じているのですが、どうでしょうか。
須田:日本のユーザーは他国と比較しても映像を視聴される時間が長く、テレビもいまだに影響力の高いメディアです。YouTubeやニコニコ動画が現在も盛り上がっているのは、日本人の映像好きが起因していると思っています。この点から、日本は海外の事業者から見ても魅力的な市場だと思われているのではないでしょうか。
より幅広い層に対応したコンテンツのラインナップへ

カスタマーマネジメント部
プロモーション推進部 部長 須田 修一氏
MZ:競合が増えることに関してはどう感じていますか。
須田:歓迎すべきことだと思います。まだインターネットにおける動画配信はニッチな市場なので、プレイヤーが増えることで、動画配信そのものや月額定額制のサービスが広く認知されていき、サービス利用者の総数が広がっていくことにつながると思うので。いずれは、BSやCSのように、地方にお住まいの方や高齢者の方にもどんどん使っていただけるようになってほしいですね。
MZ:他のサービスが来たことで、SVOD自体を知ってもらえるきっかけになるということですね。御社は2011年から日本でのサービス提供を始めていますが、提供するコンテンツに変化はありましたか。
須田:Huluが日本市場に進出した2011年当初は、海外ドラマが好きなアーリーアダプター向けのサービスとして利用されていたように思います。5年目を迎える現在も海外ドラマの作品には注力していますが、加えて幅広いユーザーに視聴してもらえるラインナップを意識しています。
例えば、Huluは日本テレビグループの会社ですので配信に関する権利がクリアになったドラマやバラエティ、アニメ作品については同局の番組の放送終了直後から見逃し配信を行っています。また、NHKおよび民放各局様とも連携を進め、様々なジャンルのコンテンツを取り揃えるようにしています。
会員登録無料すると、続きをお読みいただけます
新規会員登録無料のご案内
- ・全ての過去記事が閲覧できます
※プレミアム記事(有料)は除く - ・会員限定メルマガを受信できます
- ・翔泳社の本が買える!500円分のポイントをプレゼント
この記事は参考になりましたか?
- 関連リンク
- 動画配信サービス戦国時代、それぞれの思惑に迫る連載記事一覧
-
- 目指すは「AbemaTVのあの番組見た?」~1,000万DL達成、AbemaTVの成長戦略...
- CCCのリソースを最大限利用してサービスをグロースさせる「TSUTAYA TV」
- 日本テレビ傘下の強みを存分に生かす、Huluの差別化戦略に迫る
- この記事の著者
-
道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)
1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
