ユングの学説を元にした広告パフォーマンス最大化プログラム「beehave」
MZ:このWeb行動心理学研究所の知見を元にして開発されたサービス「beehave」を、今年1月にリリースしていますね。具体的なサービス内容を教えてください。
松村氏:行動心理学的な見地から、ユーザーに反応されやすいクリエイティブを制作~改善していくクリエイティブ視点のPDCAパッケージサービスです。具体的には、ユングが提唱する類型論に基づき、人間のものの感じ方や、それによって引き起こされる行動パターンを類型化し、コミュニケーション設計に利用していきます。
ユングの類型論は、広告コミュニケーションに特化したものではありませんので、その学説をデジタル広告とユーザーとの接触フェーズに当てはめて4つのモデルタイプを作りました。サービスは、「企画制作」→「目標設計」→「広告運用」→「レポーティング」のタスクで構成されており、亀谷さんにも情報設計やクリエイティブ分析などの部分で、多くのアドバイスをいただいています。
MZ:人間の行動パターンを類型化するというアプローチは面白いですね。具体的に、どのようにパターン化されているのでしょうか。
松村氏:大きくわけて次の4つのタイプがあります。
- 思考タイプ
- 感情タイプ
- 感覚タイプ
- 直感タイプ
クリエイティブの企画段階から、これらのタイプの人々がどんな要素や表現に対して反応しやすいのかを明確にし、その観点から情報設計を進めていきます。
思考タイプの方には、論理的に納得してもらうための「説得型コミュニケーション」。感情タイプの方には、喜怒哀楽の感情を揺さぶる「共感型コミュニケーション」。感覚タイプの方には、反射的に関心を引き出す「知覚型コミュニケーション」。直感タイプの方には、発想力を刺激する「創造型コミュニケーション」が、それぞれ適しています。
なお、このコミュニケーション名称は、当社で作った用語です。beehaveではこのように、それぞれのタイプの方が広告に接触してからレスポンスに至るまでの行動心理に沿ったシナリオ設計を行い、その上でコピーやビジュアルをカタチにしていきます。ユーザー属性やパーチェスファネルとの組み合わせで、さらに細分化することもあります。
MZ:すでにトライアルとして、いくつかの企業や代理店の方がbeehaveを利用なさっているそうですが、どのような効果が出ていますか?
松村氏:大手の広告主を中心に10社程度ご利用いただいていますが、非常に良い結果が出ています。これまでダイレクトレスポンスに注力してきた広告主の方からも、「新たな発見があった」という評価をいただきました。
一番わかりやすい成果は、これまで「勝ちパターン」として君臨してきたものが、実は改善の余地があったことがわかったことです。これまでの勝ちバナーを上回る効果のバナーが、いずれのケースにおいても作成できたことは、大きな自信にもなっています。