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Googleアナリティクスではじめるサイト行動データの広告活用

Googleアナリティクスの「チャネルレポ―ト」でAdWords連携データを活用、高度な分析に挑戦!

MCF(マルチチャネルファネル)チャネルグループで
チャネルごとのコンバージョン貢献を見る

 MCFチャネルグループのレポートは、Google アナリティクスの「コンバージョン>マルチチャネル」カテゴリの中にあります。MCFチャネルとデフォルトチャネルは似たような名前で、かつチャネル分類も同じような項目なので違いがわかりにくいですが、一言で言えば

・デフォルトチャネルレポートは流入経路の視点で集計されたチャネルレポート

であり

・MCFチャネルレポートはコンバージョン経路の視点で集計されたチャネルレポート

である、ということになります。

 よって、デフォルトチャネルはサイト訪問の「すべてのセッション」が対象になりますが「MCFチャネル」はコンバージョンに直接、または間接的に紐付けられるセッションが集計対象となります。

MCFチャネルの8つのチャネル

 MCFチャネルの分類項目は、デフォルトチャネルと同様に8つのチャネルからなります。分類の定義は以下の表のとおりです。英語/日本語表記の違いはありますが、分類項目自体は同じ内容になります。

※アナリティクスヘルプ「MCF チャネル(MCF チャネル グループ)について」より。
https://support.google.com/analytics/answer/1191184?hl=ja

 AdWords & Google アナリティクス連携によって集計されるGoogleの広告データについては、デフォルトチャネルグループ同様に、それぞれの広告種別によって各該当するチャネルに分類・集計されることになります。また、MCFチャネルレポートは、デフォルトチャネルレポートと同様にチャネルの分類定義をカスタマイズすることも可能です。

マルチチャネルレポートの見方・使い方

 「集客」のレポートメニューの中では、AdWords連携によってインポートされるデータは「集客>AdWords」レポートに分けられた独立したレポートメニューとして見ることができましたが、この「コンバージョン>マルチチャネル」の中では各レポートの中の「タイプ」の切り替えによって見ることができます。

 前述の”流入” 視点での分析とは異なり、このレポートでは ”セッション数” や ”コンバージョン率” を見ることはできません。あくまでコンバージョン数とコンバージョン価値(eコマースであれば売上額、目標であれば目標値)を指標としてチャネルや参照元、メディア、キャンペーンなどのディメンションごとに集計をしているレポートになります。

 この「マルチチャネル」レポートの特徴は、コンバージョンに間接的につながったセッションにもコンバージョン数やコンバージョン値が紐付けられて集計されるということです。これによってチャネルやキャンペーンごとの間接効果を、アシストコンバージョン数、アシストコンバージョン価値として見ることができます。また、単にキャンペーン流入のアシストコンバージョン値を見ることができるだけでなく各チャネルやキャンペーンがどの”接点”に対して一番効果的であるかも「コンバージョン>アトリビューション」レポートの中で確認することができます。

 このように、AdWords & Google アナリティクス連携によって、Google アナリティクス側では、流入チャネル視点の分析レポートだけではなくコンバージョンに対する(間接も含めた)貢献度による分析も可能になります。

デフォルトチャネルとMCFチャネルを使う上での注意点:
結局どっちを見たらいいの?

 これまで「デフォルトチャネル」と「MCFチャネル」の2つのチャネルレポートでのAdWords連携データの見方について述べてきましたが、いくつか注意点があるので解説します。

①チャネル分類の仕様が異なる

 そもそもこの2つのチャネルレポートは、デフォルトの状態での分類の項目は同じですが、実際に分類されるデータの定義が異なる部分があります。下図は同じレポートで「デフォルトチャネル」と「MCFチャネル」のレポート数値を比較した図になります。

※画像をクリックすると拡大します

 コンバージョン数の合計は同じですが、チャネルごとに分類された数値が異なっているところがあります。上図の例では「有料検索」と「ディスプレイ」の数値が”デフォルトチャネル” の方が多く集計されていますが、その分 ”MCFチャネル” の「その他」が多く集計されているのがわかります。

 筆者の知る他のレポートでは、「参照元サイト」と「ソーシャルネットワーク」の数値が同じ数値だけ入れ替わっているケースなどもあります。この分類仕様の違いの詳細については本稿のテーマとずれるので割愛しますが、このようにこの2つのチャネルレポートの分類は異なる集計になるということを知っておく必要があります。

②「集客」レポートと「マルチチャネル」レポートで ”ノーリファラー” の集計仕様が異なる

 また、「デフォルトチャネルグループ」のレポートが「集客>すべてのトラフィック」内と「コンバージョン>マルチチャネル」内の両方にあることに気が付いている方も多いかと思いますが、同じデフォルトチャネルグループでも「集客」内の数値と「コンバージョン」内での数値は異なります。これは、Google アナリティクスの「ノーリファラー」の集計仕様によるものです。

 「集客」のレポートにおいては、ノーリファラーでのセッションは、その前の訪問時の参照元データがある場合はそれを上書きしないというのが集計の仕様になっています。例えば、1回目にexample.comから訪問し離脱をして、2回目に直接(ノーリファラー)で訪問した場合、2回目の訪問の参照元はexample.comで集計されます。一方で「マルチチャネル」レポートではこの2回目の訪問は ”ノーリファラー” で集計されます。この集計の仕様に違いにより、同じデフォルトチャネルグループの数値であっても「集客」で見るコンバージョン数値と「マルチチャネル」で見るコンバージョン数値とではチャネルごとの集計値が異なっています(下図参照)。

※画像をクリックすると拡大します

※アナリティクスヘルプ「マルチチャネル データについて」より。
https://support.google.com/analytics/answer/1319312

 このように、チャネルレポートはAdWords & Google アナリティクス連携によって集計される Google の広告データを広告流入だけの視点ではなく、すべての流入の中でどのような効果や貢献をしているのかを知る上で非常に重要なデータを提供してくれるレポートと言えます。

 次回は、今回に引き続き「マルチチャネル」「アトリビューション」レポートの解説と、AdWords & Google アナリティクス連携によって実現するリマーケティングについて解説をしていきます。

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MarkeZine(マーケジン)
2016/03/03 09:00 https://markezine.jp/article/detail/24000

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