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無差別なインバウンド対策からの脱却を、データに見る訪日外国人の興味と消費傾向

誰もが「日本の文化・伝統」に興味を持っているわけではない

 観光庁が1月にリリースしたデータを見ると、国、地域によって来日目的、来日中にしたいことが異なることが分かる。

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 観光客全体の平均で見ると、「日本食を食べる」と回答した旅行者が68.7%と最も高く、2番目の「ショッピング」が49.7%と続いた。また、「自然・景勝地観光」38.9%、「繁華街の街歩き」34.7%に続き、「温泉入浴」、「旅館宿泊」、「日本の歴史、伝統文化体験」が多い結果となっている。その中で、「映画・アニメ縁の地を訪問」などいわゆる聖地訪問や「舞台、スポーツ鑑賞」などもあり、実に需要さまざまであると事が伺える。

 来日観光客のトップ3か国、中国、韓国、台湾を国別に比較してみると、同じアジア圏でも、興味があるものが異なることが分かる。

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 来日観光客平均と比較すると、中国の特徴はやはり「ショッピング」が大きなウェイトを占め、加えて「温泉」「旅館」「自然・景勝地」にも興味があり、ショッピング以外にも観光を一通り楽しみたい旅行客が多いことが分かる。一方で「日本の歴史・伝統文化体験」「日本の現代文化体験」「美術館・博物館」は、平均と比べても特に低い傾向が見られ、日本文化に対する興味の低さを伺うことが出来る。

 次に韓国を見ると、韓国からの旅行客は2~3泊程度の短期訪問が多く、観光というよりは「日本食・お酒」への興味が比較的高い割合を占めている。中国同様、日本文化関係に対する興味の低さも特徴的である。「日本食・お酒」以外の全項目において、来日観光客の平均以下であることも興味深い発見だろう。

 台湾からの観光客の特徴は、「テーマパーク」「旅館に宿泊」に高い興味を示す傾向にあることだ。そして「ショッピング」、「自然・景勝地」、「温泉」、「自然体験」、「四季の体験」などにも興味を示すなど一方、トップ3か国のなかで、唯一「日本の歴史・伝統文化体験」にも一定の興味をしている点は、中韓と異なる。

 日本への観光客が多いタイを中心とした東南アジアだが、他の地域と比べて特徴的なのは、「四季の体感(花見・紅葉・雪)」の人気が高いことである。熱帯地域のタイにはない四季の移ろいを感じ、体感できることが日本の魅力であるとタイの観光客は言う。「日本食」「ショッピング」などのほか、「日本の歴史・伝統文化体験」などにも高い興味を示している。

 では、欧米を代表するアメリカはどうだろうか。中韓とは逆に、「日本の歴史・伝統文化体験」「日本の現代文化体験」「舞台鑑賞(歌舞伎・演劇・音楽など)」「美術館・博物館」など日本文化へ高い興味を示す一方、「ショッピング」への意欲は低めである。「食」は人気だが、あくまでも日本文化に触れることの延長線上で、旅の目的の一つとして選ばれる傾向にあるようだ。

 ここまでの国別・地域別の特徴をまとめてみると、以下のように言えるだろう。

  • 国を選ばず最も人気の旅行目的は「日本食」
  • 「ショッピング」はアジア全域に特出した人気がある。一方、欧米諸国の「ショッピング」への意欲は低め。
  • 「日本の歴史・伝統文化体験」への人気が高いのは欧米・東南アジア。中国、韓国、香港には不人気。
  • タイを始めとする熱帯地域の東南アジアからは「四季の体感(花見・紅葉・雪)」も人気が高い。
  • アニメや漫画など「日本のポップカルチャー」への人気は欧米諸国と東南アジアの比重が高い。

 旅の目的や楽しみがアジア圏だけでも国によって異なる。さらに、欧米諸国に地域が広がればより多様化する。それらを理解した上で、企業や地域、自治体が、それぞれ自社の商品、サービスに合った正しいターゲット設定をして初めて、プロモーション費用に見合った高いROI効果が得られる真のグローバルインバウンドと言えるだろう。

 出典元:D2Cスマイル

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D2Cスマイル編集部(ディーツーシー スマイル ヘンシュウブ)

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2016/05/10 08:00 https://markezine.jp/article/detail/24281

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