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イベントレポート(PR)

ニューバランス、日本マイクロソフト、カルティエが取り組む、新たな動画広告の形

 動画広告ソリューションを提供するTeads JapanとMarkeZineが4月21日、都内で開催したイベント「Teads Japan Launch with MarkeZine」では、「ブランドにおける動画広告の取り組み」と題したパネルディスカッションが行われた。日本マイクロソフト、ニューバランスジャパン、リシュモン ジャパン カルティエの3社の代表者が、広告主の視点で動画広告の位置づけやメリットが話し合われた。

視聴完了率、CTRともに高いアウトストリーム広告

押久保:本日は各ブランドにおける動画広告の活用法についてお話しいただきたいと思います。まずは自己紹介も兼ねて、最近行った動画広告の取り組みを教えてください。鈴木さんからお願いします。

右より、リシュモン ジャパン株式会社 Cartierコミュニケーション部
コミュニケーションディレクター 玉井祥一氏
日本マイクロソフト株式会社 シニア・マーケティング コミュニケーションマネージャー・デジタル 松田恵利子氏
株式会社ニューバランスジャパン マーケティング部 部長 鈴木健氏
株式会社翔泳社 MarkeZine編集部 編集長 押久保剛

鈴木:私は6年前よりニューバランスジャパンのマーケティング部で広告宣伝を担当しています。今回イベントを主催しているTeadsさんとは、2015年にグローバルで行ったキャンペーン「ALWAYS IN BETA」からのお付き合いになります。この時はスマートフォンの中でプレミアムな動画広告を実施したいと考えており、その意図とTeadsさんのアウトストリーム広告が合致したため、採用しました。(関連記事はこちら

押久保:具体的には、どういった施策を実施したのですか。

鈴木:今回のキャンペーンでは、記事途中に出てくるインリード型の広告を実施し「エル・オンライン」や「産経ニュース」などのメディアに出稿しました。

「エル・オンライン」で実際に出稿された広告

 15秒の素材でしたが、視聴完了率は13.7%、CTRは2.06%という結果になりました。特に注目すべきは、視聴完了率だけではなくCTRも高いという点です。ブランディング目的の広告でCTRが2%に達しているというのは、良いスコアだと思います。

 また実施後にリサーチを行ったところ、動画の認知率をはじめ、キャンペーンのメッセージ自体も適切に訴求できていたことがわかりました。くわえて、特におもしろいと思ったのが、動画を見た後にどんな行動をしたかという質問に対し、複数回答ですが「検索」が一番高かったのです。動画を見てクリックするだけでなく、サイト訪問や検索といった行動が見られたということです。

プロダクトにマッチした掲載面を確保

押久保:続いて松田さん、お願いします。

松田:私はマイクロソフトでセントラルマーケティング本部のデジタルイベントマーケティンググループに所属しており、デジタル広告とDMPを担当し、「Surface」「Office」「Azure」などのマーケティング担当者と共に広告キャンペーンを推進しています。

 動画広告は2013年ごろから積極的に活用していたのですが、良い掲載面はないものかと課題を感じていました。そんな中、プレミアムな掲載枠とユーザビリティに優れたフォーマットを持つTeadsさんのアウトストリーム広告を紹介いただき、2015年の「Surface Pro 4」のキャンペーンで初めて採用に至りました。

押久保:アウトストリーム広告を実施した結果を教えてください。

松田:インストリーム型広告・アウトストリーム型広告ともに実施したのですが、Teadsの広告枠はサイトへの誘導率が特に高かった。この施策を通じて、記事内に動画広告を配信できるアウトストリーム型広告の魅力を感じました。

ラグジュアリーブランドが動画広告に期待すること

押久保:最後に玉井さん、お願いします。

玉井:2008年よりカルティエのコミュニケーション部で広告からPR、イベント、セールスプロモーションまで全てを統括しています。創業169年の老舗でありながら、我々はコミュニケーション活動や製品の活動など全てにおいて先駆けとなることを日々心がけています。ですので、デジタル領域のコミュニケーションも積極的に取り組んでいます。

 動画広告に関しては、2012年にコーポレート事業でブランド広告を作成し、YouTubeに出稿したのが最初でした。3分半と長尺ではありますが、全世界で3,000万以上のPVを獲得しました。また、2014年にも創業110周年を記念したブランド広告の配信も行っています。

押久保:動画広告の配信方法としてアウトストリーム広告を選んだ理由を教えてください。

玉井:ラグジュアリーブランドというのは、憧れ感と認知を維持するため、非常に限られたターゲットの方に広告配信を行うコミュニケーション手法をとっています。

 そして、常に問題となるのは広告を「どこ」で配信するのかということです。オウンドメディアで流すこともできますが、リーチさせるためには外部メディアにも当然掲載したい、ただ169年間守ってきたブランドイメージを毀損したくない。そのニーズにあうメディアの広告枠として出会ったのが、Teadsさんのアウトストリーム広告でした。

 Teadsさんのソリューションでは記事中の文脈に合わせ、動画広告を配信でき、ビューアビリティの高さに魅力を感じています。また、我々はSOV(Share Of Voice)100%、つまり、同カテゴリの競合製品の広告が出稿されていないメディアへの配信を目指しています。そしてTeadsさんはその条件も満たしていました。実際の施策では、『東洋経済オンライン』や『朝日新聞デジタル』などのメディアの記事内で広告配信を行うインリード広告を展開しました。

TVCMと動画広告の違いは画面にあり

押久保:ここまで3社の取り組みをお伺いしましたが、昨今、MarkeZineでも動画広告活用の記事を掲載することが増えています。そして、掲載先はもちろん、動画広告専門のクリエイティブについても熱く議論されている印象です。そこで、皆様のクリエイティブに対する考えをお伺いしたいのですが、鈴木さんからお願いできますか。

鈴木:Teadsさんと施策を行ってみてわかったのは、デジタルデバイスの画面とTV画面は、位置付けが違うということです。特にスマートフォンの画面はユーザーが能動的に触るため、自分が所有している感覚が強い。そのため、広告に対する拒否感も高まります。この前提を踏まえると、スマートフォンに合わせた広告クリエイティブを設計していくことは今後マストになっていくと感じています。

押久保:画面に対する根底が違うため、クリエイティブも当然変わるということですね。松田さんはいかがでしょうか。

松田:クリエイティブに関しては、弊社も頭を悩ませています。例えば、TVCMの素材をデジタル上で展開する際にフォーマットが合わない、デジタル上で最適なクリエイティブを提供できないなどの課題があります。

押久保:玉井さんも、グローバルカンパニーとして同様な課題を感じていますか。

玉井:弊社は課題というよりもデジタル上で映像が出せることへの可能性を感じていました。先にご紹介した動画は3分半という尺でしたが、TVCM特有の15秒や30秒といった規制から解き放たれた動画の配信をデジタルは可能にしているのです。

全体のROIで効果測定できるかが重要

押久保:ここからは、マーケティング全体における動画広告の位置付けや役割、目標、KPIについてディスカッションをしていきたいと思います。特に、KPIは各社で違うと思いますので、その点に関して松田さんから教えてください。

松田:動画広告の効果測定は正直難しいと考えています。といいますのも、冒頭でお話しした実施結果は、あくまで動画広告同士で比較したものです。本来であれば、ディスプレイ広告の効果に寄与したのか、PR活動へ貢献したのかといったことを計測したいのですが、実現には至っていません。

押久保:動画広告同士の比較に加えて、他の軸でも効果を測りたいということですね。鈴木さんはいかがですか。

鈴木:合計のROI(Return On Investment:投資対効果)を見られるようにしたいですね。リーチだけ拡大したいのであればディスプレイ広告を大量に配信すれば十分です。ただ、動画広告が売上に繋がっているかを見るのは難しく、松田さんと同様、動画関連の広告メニューでの比較に留まっています。

松田:そうですね。ディスプレイ広告と動画広告は似ていて、直接クリックからのコンバージョンに対する貢献度は確かに低い。コンバージョンという観点だと検索連動型広告の方が貢献度が高いものの、検索連動型広告だけではリーチが縮小してしまいます。だからこそ、ディスプレイ広告や動画広告を行って全体的に効果の底上げを図る必要があるんです。

押久保:全体のROIで見ていくことの重要性を感じますね。玉井さんは、動画広告をどのように位置付けていますか。

玉井:ブランド力を維持するという位置付けです。弊社の商品は高価であるがゆえに、プロダクトをすぐに販売に結びつける広告というのは難しいです。そのため、いかにブランドや商品の世界観に対し共感してもらうかを、広告においては重要視しています。

押久保:世界観を表現する際、これまでは雑誌広告がメインだったのではと思ったのですが、現在はデジタルにシフトしているのでしょうか。

玉井:おっしゃる通りです。雑誌で静的なブランド広告を出していたのが、動画広告ではコンテンツが動的になります。もちろん、雑誌広告も重要な広告媒体ですが、動画によって得られるリアクションの変化には期待しています。

顧客と直接繋がれるのがデジタルのメリット

押久保:最後に、今後の取り組みや展望についてお話しください。

鈴木:デジタルの良さはブランドが直接消費者と繋がることができるところにあると思います。たとえばライブ配信やVRは、デジタルプラットフォームを通してリッチな体験を提供できる。

 そういった技術がさまざまなデバイスの進化とともに発展すれば、広告主とブランド側と消費者の距離がもっと縮まるのです。動画広告がその距離を縮めるきっかけになるよう今後もキャンペーンを行っていきたいですね。

松田:まずは、展開中の動画広告に関する取り組みを、全体の施策の中でいかに統合的に評価していくかを考えていきたいと思っています。現在は、動画広告単体でしか評価できていないので、全体のポートフォリオを踏まえた上で取り組んでいける仕組みを築きたいです。

玉井:鈴木さんと同じく、デジタルの良いところは顧客と直接コミュニケーションが取れるところだと思います。この強みを活かし自由な発想で企画を進め、媒体の方と協力していきたいと思っています。特にラグジュアリーブランドはターゲティングが重要なので、今後も精度を向上させる取り組みを積極的に行っていきます。

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この記事の著者

末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

フリーライター

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/07/04 10:31 https://markezine.jp/article/detail/24424