西暦2000年以降に成人を迎えたミレニアル世代が結婚し家族を形成しようとしている。博報堂買物研究所(以下、買物研)と、博報堂こそだて家族研究所は今回、彼らへの共同調査を実施。その結果から、ミレニアル世代は今までの家族のあり方にとらわれない新しい家族意識を持ちながら買物行動をしていることが明らかになった。
「身の丈」から「身の幸家族(みのさちかぞく)」へ
調査の結果、ミレニアル夫の定期的家事実行数は約5個でアラウンド50家族(45~54歳)の夫の約2倍。分担方法は、固定ではなくできる時にできる方が出来ることをやる流動的分担へ移行傾向にあることがわかった。また、忙しければ家事・仕事・趣味も完璧でなくても良い。やること、やらないことを決めながら、家族の幸せを確保する、という頑張りすぎない様子がうかがえた。
また、家事に関する意識・意見について、近い感情を訪ねたところ「日々の生活を楽しんでいる」を選択したミレニアル家族は43.7%、ラウンド50家族は26.4%。忙しい中でも「家事=ネガティブなタスク」ではなく、楽しめるものへと工夫して転換。自分の欲求とタスクを融合している姿が見えた。
ここから買物研は、家族像が身の丈に家族を合わせるのではなく、自分達なりの幸せを柔軟に工夫し、発見していく創造的家族像(身の幸家族)へ変化していると推測している。
「スマート消費」から「フレキシ消費」へ
また買物行動についても、ミレニアル夫の約半数が買物に同行していることがわかった。同広範囲はトイレタリーなど日用品まで広がり、夫婦の意見合わせで買物の失敗を回避している。また、ミレニアル家族の約5割が休日に買物をしたいと考え、日用品の買物であってもお出かけのついでなどで、自分も家族も楽しみながら買物したいと考えている。
さらに、買い物で迷いたくないという志向が強く、商品の選択肢が多すぎることがストレスになることがわかった。
ここから買物研は、賢く倹約するだけでなく、家族みんなで無理せず選び、日常消費と楽しみと融合する柔軟な買物に変化していると推測している。
なお、同調査ではる「ミレニアル世代」の定義は西暦2000年以降に成人を迎えた、現在20歳~35歳とし、ミレニアル世代が生まれ育った時代背景の特徴として以下3点をあげている。
- 男女平等・共働き当たり前:男女家庭科共修時代に成長。女性が男性と対等に進学、就職するのは当然
- デジタルネイティブ、効率・合理的:IT・スマート化、情報爆発時代に成長し効率的情報収集が得意
- 現実的ポジティブ思考:失われた20年、リーマンショック、大震災時代に成長する中で身近な中に幸せを見出す
【調査概要】
全国のミレニアル世代の家族(子あり)とアラウンド50世代の家族(子あり)の妻に対して、両世代の比較調査を実施。ミレニアル世代の家族の定義は25歳~34歳で長子6歳以下。アラウンド50世代の家族の定義は45歳~54歳で子どもの年齢は不問。
対象者:ミレニアル世代(25歳~34歳)主婦930名/アラウンド50(45歳~54歳)主婦312名
手法:インターネット調査
期間:2016年8月
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