ウェブの行動履歴を、営業へ活用してアポ率UP!
最後に、顧客情報とWeb上の行動履歴および、営業履歴をつなげたBtoBビジネス事例が紹介された。BtoBの場合は商談成立までに長い時間とステップを要することも珍しくない。イベントやセミナー、問い合わせなどからリードを獲得し、そこから営業担当が商談を重ねるといった具合だ。様々なチャンネルによるアプローチがなされ、場合によっては部門による隔たりがあるため、データがサイロ化されるケースも少なくない。紹介された企業も例に漏れなかった。
「そこで、同社は散在していたデータを集め、Webの行動履歴から受注と相関の高いアクションを洗い出すことにしました」(山田氏)
すると、サイトの中でも、“検討の方向け”“カタログダウンロード”“会社情報”“保守サービス”など特定のメニューを閲覧した履歴のあるユーザーが、受注につながりやすいことがわかった。このデータをふまえて、顧客のステータスに合わせてアプローチを自動化する際に、重要ページを閲覧したかどうかをトリガーの一つに組み込んだ。
さらにイベントやセミナーでのアンケートをデータ化して統合、スコアリングに基づくアタックリストの作成などを実施した。カスタマージャーニーとしては、まず展示会に参加したユーザーをメールで誘導し、メールアドレスをクッキーと紐づけておくことで会員登録無しでユーザーを特定する。その後、重要ページを見たユーザーをアタック候補にして、営業担当によるコミュニケーションを開始する。さらにアポを取り付けられなければ、ステップメールで対応する、という流れだ。これにより、アポ成立の確率が40%に上昇したという。
トライの継続が何よりも重要
企業マーケティングには不可欠なデータの分析、レコメンド、オートメーションまでをワンストップで実現することが重要であると山田氏は強調する。そして、「しかし最も重要なのは、システムやツールよりも、しっかりと分析→シナリオ作成→評価改善→メンテナンスというPDCAを回し、継続すること」だと述べ、運用が上手くいっているクライアントの共通項を次の通り紹介した。
- オファーする顧客を可視化、分析して施策を立案
- 最初は手動でトライして、結果が出た施策を自動化
- やりっぱなしではなく、 効果を可視化する仕組みを構築する
- トライを継続する
特に、トライの継続が重要だと山田氏。「スタートで上手くいかないから、途中でやめてしまうケースがあります。ですが、せっかく導入したのであれば、収益化させるまで継続することが重要です。当社は、そのお手伝いもさせていただきたいと思っています」とメッセージを伝え、セッションを終えた。