Schooが高額サービスの提供を開始
株式会社Schooが展開するする個人向けオンライン動画学習サービス「Schoo」は、生放送視聴無料のオープン学生を募る一方で、録画受講や受講中のノート機能など付随機能を利用できるサブスクリプションのプレミアムサービスを展開してきた。月額980円~1,980円と比較的手が出しやすい価格で、典型的なフリーミアムのwebサービスだといえる。
その流れのなかで2016年2月に、同社はプレミアムサービスの10倍近い値付けをした「マスタープラン」をリリースした。録画授業の視聴だけでなく、課題添削などをサポート講師が行い、スキルの習得までフォローするというものだが、これまでの同社のサービスと比較するとフリーミアム商品とは性格を異にしており、個人向け且つオンラインで完結するwebサービスとしてもなかなか目にしない価格設定だ。
Schooのチャレンジとも見て取れる同サービスは本当に売れているのか? またマーケティング部署はどのような施策を打っているのか? 今回、同社でマスタープランのマーケティングを担当する大迫氏に取材した。
人生を変えるためのサポートをしたい
マスタープランを提供するに至った背景にはユーザーの声と、同社のビジョンがある。これまでのSchooは、ユーザーが授業を受け、自力で内容を吸収して力をつけていく大学などの座学に近いイメージだった。だが、ユーザーからは“時間をかけても、より高いスキルを習得したい”“確実に身につけたい”といった、声が上がっていた。そこで、確実なスキル習得が可能な授業とサポート体制を整えることで応えられないかと考えた。
また、Schooは「インターネットで人類を変革する」というビジョンを掲げ、「世の中から卒業をなくす」をミッションとして、学びを通じて人生を変えていくことを掲げている。一般的な人生の変え方の1つとしてジョブチェンジが考えられるが、実務に生きる新たなスキルを身につけることで、キャリアチェンジの選択肢にバリエーションを増やすことができる。この、キャリアチェンジの「出口」に重きを置いた商材を用意することが、事業戦略としても重要な意味を持つ。そのため、用意されているマスタープランの3ルートのうち、webデザイナールートとプログラミングルートは、未経験でも始められるようになっている。
真剣に人生を変えたいと考えるなら、それなりの学習障壁を乗り越える必要がある。学習者のサポートを行い、価値を提供すると考えれば、現在の価格も高くはないと大迫氏は語る「専門学校に入学して学び直すのと同じ感覚で捉えれば、決して高い価格設定ではないと思います」(大迫氏)
とはいえ、前述の通り従来のサービスとやや異なる側面を持つ同サービス。マーケティング施策としては、具体的にどのようなことをしているのか。