UGCが企業のブランディングに果たす役割とは
最後に、UGCが企業のブランディングに果たす役割について考えてみたいと思います。
生活者が購買に至るまでのプロセスを「気づき」「理解促進」「購入」の3段階に分類し、国内企業によるUGCのマーケティングへの活用状況を分析すると、「理解促進」や「購入」の段階である通販サイトのランディングページやオウンドメディアでUGCを活用する企業は増えてきました。しかし、生活者に「気づき」を与える段階である広告にUGCを活用する企業はまだ非常に少ないのが現状です。
個人的には、このことが企業のオンライン・マーケティングの大きな課題だと感じています。生活者に「気づき」を与える広告のクリエイティブが優れていないと、生活者は「理解促進」や「購入」のフェーズに進んでくれません。ですから、広告にこそUGCを使うべきではないでしょうか。広告とランディングページ、通販サイトにUGCを活用し、一貫したブランドの世界観を表現することができれば、「気づき」「理解促進」「購入」の流れがスムーズに進み、コンバージョン率も向上するというのが私の仮説です。

今回解説したように、従来型のマーケティングで生活者の意思決定をコントロールすることが極めて難しくなっている上、広告に対するネガティブな感情が高まっている状況を踏まえれば、生活者に「気づき」を与える広告のクリエイティブにおけるUGCの活用は、今後ますます重要になっていくと考えられます。
次回は、Facebook広告にUGCを活用し、高い成果を上げているメーカー企業の事例を紹介します。具体的な活用方法や成果、成功のポイントなどについて担当者に詳しくお聞きしたいと思います。