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水野貴明の“技術から学ぶ”アクセスログの読み方

第4回 アクセス解析のキホン! リンク元解析の裏側を見てみよう

実際のリファラーが取得できないケース

 あるページをクリックしてあなたのサイトにアクセスがあり、ブラウザもきちんとリファラーを送信する設定になっていたとしても、Webページやリンクの構成によっては、実際のリンク元が取得できないケースもあります。最後に、そうしたケースを紹介しておきましょう。
 たとえば、Google AdSenseはGoogleが提供するアフィリエイトサービスで、Webサイトに広告を表示できるものです。Google AdSenseを利用しているサイトには、広告を出広しているサイトへのリンクが表示されています。しかし、このリンクをクリックして出稿しているサイトにアクセスしても、そのリンク元に広告が表示されたサイトのURLは表示されません。

Google Adsense

 なぜならAdSenseの表示にはiframe(インラインフレーム)という仕組みが利用されているからです。iframeはあるページの中に、異なるページの内容を埋め込むことができる仕組みです。AdSenseでは、ページの中にGoogleが用意した広告ページを埋め込むことで、まるで広告がそのページに表示されているように見せかけているのです。そのため、広告のリンクが貼り付けられているのは、実際にはGoogleの用意したページであり、広告がクリックされた場合、リファラー情報として取得できるのは、そのGoogleが用意したページになってしまうのです。

図.5 iframeを利用したページとリファラー情報

 したがって、Google AdSenseに出稿している場合、リンク元として広告が掲載されたページをアクセス解析から取得することはできないのです。もちろん、Google AdSense以外でも、iframeを利用したページであれば、同様のケースが考えられます。

 このほか、リンク元を隠すためのページを用意することで、リンク元を隠しているサイトがあり、この場合もリンク元を取得することができません。その代表的な例は2ちゃんねるでしょう。2ちゃんねるにURLを書き込むと、「ime.nu」というドメインのページへとリンクが張られます。このページには、記述したURLへのリンクが表示されているので、実際のページにもきちんとアクセスすることができるのですが、間に「ime.nu」のページが挟まっているためリファラー情報としてはこのページのURLが送られてきてしまい、アクセス解析を行っても実際にリンクがどこに張られたのかを知ることはできません。

図.6 リンク元を隠すためのページの仕組み

 このように、ページの構成によっては、リファラー情報をリンク先に送らず、リンク元の解析を行えないようにすることが可能なのです。

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この記事の著者

水野 貴明 (ミズノタカアキ)

1973年東京生まれ。バイドゥ株式会社勤務の兼業テクニカルライター。学生のとき に父親が買ってきたパソコン(マイコン)と出会い、コンピュータとの付き合い を開始。大学は有機化学、大学院では分子生物学を学ぶも、就職で再びコンピュータの道を進むことになった。その後インターネットの普及により、様々な方に出会う機会を得て1999年より執筆活動を開始。 http://d.hatena.ne.jp/mizuno_takaaki/

 

著書
『アクセス解析でホームページの集客を極める本』 水野 貴明著、 ソーテック社、2005年3月 
『詳解RSS~RSSを利用したサービスの理論と実践』 水野 貴明著、ディー・アート、2005年8月

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2006/10/06 15:00 https://markezine.jp/article/detail/259

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