実際のリファラーが取得できないケース
あるページをクリックしてあなたのサイトにアクセスがあり、ブラウザもきちんとリファラーを送信する設定になっていたとしても、Webページやリンクの構成によっては、実際のリンク元が取得できないケースもあります。最後に、そうしたケースを紹介しておきましょう。
たとえば、Google AdSenseはGoogleが提供するアフィリエイトサービスで、Webサイトに広告を表示できるものです。Google AdSenseを利用しているサイトには、広告を出広しているサイトへのリンクが表示されています。しかし、このリンクをクリックして出稿しているサイトにアクセスしても、そのリンク元に広告が表示されたサイトのURLは表示されません。
なぜならAdSenseの表示にはiframe(インラインフレーム)という仕組みが利用されているからです。iframeはあるページの中に、異なるページの内容を埋め込むことができる仕組みです。AdSenseでは、ページの中にGoogleが用意した広告ページを埋め込むことで、まるで広告がそのページに表示されているように見せかけているのです。そのため、広告のリンクが貼り付けられているのは、実際にはGoogleの用意したページであり、広告がクリックされた場合、リファラー情報として取得できるのは、そのGoogleが用意したページになってしまうのです。

したがって、Google AdSenseに出稿している場合、リンク元として広告が掲載されたページをアクセス解析から取得することはできないのです。もちろん、Google AdSense以外でも、iframeを利用したページであれば、同様のケースが考えられます。
このほか、リンク元を隠すためのページを用意することで、リンク元を隠しているサイトがあり、この場合もリンク元を取得することができません。その代表的な例は2ちゃんねるでしょう。2ちゃんねるにURLを書き込むと、「ime.nu」というドメインのページへとリンクが張られます。このページには、記述したURLへのリンクが表示されているので、実際のページにもきちんとアクセスすることができるのですが、間に「ime.nu」のページが挟まっているためリファラー情報としてはこのページのURLが送られてきてしまい、アクセス解析を行っても実際にリンクがどこに張られたのかを知ることはできません。

このように、ページの構成によっては、リファラー情報をリンク先に送らず、リンク元の解析を行えないようにすることが可能なのです。