「商品の訴求は絶対しない」プルデンシャルのFB戦略
プルデンシャル生命保険は、世界最大級の金融機関であるプルデンシャル・ファイナンシャルのグループ会社。「ライフプランナー」と呼ばれる営業社員が、顧客へのコンサルティングを行いながら、オーダーメイド形式で保険商品を提供するというのが特徴だ。
このプルデンシャル生命保険が運営しているFacebookページというのが、「日出ずる国の営業」という、ちょっと変わった名前の公式ページだ。
コンテンツの内容は、「営業パーソンの人生」や「営業という仕事とは何か」といった、ビジネスパーソン向けのインタビュー記事を中心に紹介しており、開始から3年の現在、約4万3,000「いいね!」と、4万フォロワーを獲得している。
一見すると、Facebookページとしては成功しているように見えるが、本コンテンツには「保険」の「ホ」の字もない。コンテンツマーケティングとして、このページを続ける「狙い」はどこにあるのだろうか? プルデンシャル生命保険の執行役員常務である阪本さんはこう語る。
「営業職というと、やはり一般的には『イメージがよくない職種』と思われがちです。特に生保の営業のイメージは悪い。しかし、弊社では、生保の営業パーソンが『日本の生命保険業界を変えたい』と、志をもって働く会社です。彼らが頑張っている姿を発信して、日本の営業パーソンを元気にしたいと思い始めたのが、この『日出ずる国の営業』です。企業Facebookページを利用して保険商品を営業するつもりは、全くありませんでした」
確かに、同ページのコンテンツは阪本さんのおっしゃる通りの内容だ。2017年1月16日の記事では、地方で同社に転職したライフプランナーが、壁を乗り越えながら、同社営業職のトップであるエグゼクティブ・ライフプランナーになるまでを紹介したインタビューだ。同月23日の記事では、『すぐに行動できる人』(青春出版社)の著者、藤由達蔵さんのインタビューを取り上げているなど、営業パーソンに役立つコンテンツを中心に掲載している。
生命保険どころか、同社に関連する情報は、トップ画像に小さく「supported by Prudential」と書いている以外、ゼロと言っていい。このような立て付けのメディアを運営するには、それだけではない深い狙いがあるのではないだろうか。