多彩なターゲティングによる工数増大が課題に
――はじめに、スマートニュースの広告配信の仕組みについて教えてください。
小宮:これまでは、広告オークションに参加する際の入札方法として、クリックのときに費用がかかるものとインプレッション(表示)のときにかかるものとがありました。そのため、広告代理店の方々は入札価格をコントロールすることでCPAとROASを合わせます。さらに、スマートニュースの広告「SmartNews Ads」では、ターゲティングメニューがいくつもあり、いろいろな機能を駆使することによって、より相性のいいオーディエンスに配信することができます。
蘭:具体的には、OS、性別、年齢、都道府県・市区町村、時間帯、携帯キャリア、ジャンル、興味関心、キーワードなどのターゲティングメニューがあります。〇県〇市に住んでいて、どんな端末を使っていて、どういうことに興味をもっているかでターゲットを絞ることができます。
ただ、この方法だとパターン数が増えてしまいますし、キーワードも膨大なためにキャンペーンの労力はかなりのもの。広告効果を最大化するためにはトライ&エラーを積み重ねなければなりませんが、広告代理店のヒューマンリソースを考えると厳しいものがあるのではないかと思います。
広告主/代理店の運用工数を削減するoCPC
――oCPC(=optimized Cost Per Click)配信が開発された理由はなんでしょうか。
小宮:広告主や広告代理店の負担を減らしたうえで、ユーザーが欲しい情報を届けるためです。広告のパフォーマンスを最大化するためには、代理店の方が広告の配信ロジックを把握して、その上でアカウント構成を作成する必要があります。しかし、配信ロジックを理解するのは難しい。残念ながら、せっかく予算をかけてキャンペーンを作っても、うまくいかないときもあります。ただ、私たちの持つ膨大な量のデータ(ユーザーの特徴、キーワード)を活用すれば、広告主や広告代理店の方々の運用上の問題を解決できるのではないかと考えました。
――これまで、広告主や広告代理店が入札価格を決めていたものを、oCPC配信によって、ユーザーと広告をうまくマッチングできるのですね。
小宮:そうです。昨今では、どのようなユーザーが何に興味を持ち、どうすれば広告をコンテンツのようにとらえてもらえるのか、機械学習などを用いて判断したいといった機運が高まっています。
蘭:私たちは、広告はユーザーにとって有益な情報になりえるものだと考えています。「Ads as content」(コンテンツとしての広告)というキーワードでスマートニュースの思想を表していますが、それを最大限に表現するためにoCPC配信の機能を開発しました。