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スマートニュースが作る、新たな広告の潮流「oCPC」とは?(AD)

現在の運用型広告が抱える課題、解決するために求められる「oCPC」配信とは?

 昨今、Facebook広告でoCPM配信(最適化インプレッション課金配信)が可能になるなど、人の力ではなくアルゴリズムを用いて、広告効果を引き上げる取り組みが進んでいる。そのなかで、独自のアルゴリズムを使って「oCPC」配信を可能にしたスマートニュースの広告エンジニアの小宮篤史氏と蘭雨陽(らんゆーやん)氏に、現状の運用型広告が抱えている課題、それに対してoCPC配信がもたらす価値について聞いた。

多彩なターゲティングによる工数増大が課題に

――はじめに、スマートニュースの広告配信の仕組みについて教えてください。

小宮:これまでは、広告オークションに参加する際の入札方法として、クリックのときに費用がかかるものとインプレッション(表示)のときにかかるものとがありました。そのため、広告代理店の方々は入札価格をコントロールすることでCPAとROASを合わせます。さらに、スマートニュースの広告「SmartNews Ads」では、ターゲティングメニューがいくつもあり、いろいろな機能を駆使することによって、より相性のいいオーディエンスに配信することができます。

(左)スマートニュース株式会社 エンジニア 小宮篤史氏
スマートニュース株式会社 エンジニア 蘭雨陽氏

蘭:具体的には、OS、性別、年齢、都道府県・市区町村、時間帯、携帯キャリア、ジャンル、興味関心、キーワードなどのターゲティングメニューがあります。〇県〇市に住んでいて、どんな端末を使っていて、どういうことに興味をもっているかでターゲットを絞ることができます。

ターゲティング一覧

 ただ、この方法だとパターン数が増えてしまいますし、キーワードも膨大なためにキャンペーンの労力はかなりのもの。広告効果を最大化するためにはトライ&エラーを積み重ねなければなりませんが、広告代理店のヒューマンリソースを考えると厳しいものがあるのではないかと思います。

広告主/代理店の運用工数を削減するoCPC

――oCPC(=optimized Cost Per Click)配信が開発された理由はなんでしょうか。

小宮:広告主や広告代理店の負担を減らしたうえで、ユーザーが欲しい情報を届けるためです。広告のパフォーマンスを最大化するためには、代理店の方が広告の配信ロジックを把握して、その上でアカウント構成を作成する必要があります。しかし、配信ロジックを理解するのは難しい。残念ながら、せっかく予算をかけてキャンペーンを作っても、うまくいかないときもあります。ただ、私たちの持つ膨大な量のデータ(ユーザーの特徴、キーワード)を活用すれば、広告主や広告代理店の方々の運用上の問題を解決できるのではないかと考えました。

――これまで、広告主や広告代理店が入札価格を決めていたものを、oCPC配信によって、ユーザーと広告をうまくマッチングできるのですね。

小宮:そうです。昨今では、どのようなユーザーが何に興味を持ち、どうすれば広告をコンテンツのようにとらえてもらえるのか、機械学習などを用いて判断したいといった機運が高まっています。

蘭:私たちは、広告はユーザーにとって有益な情報になりえるものだと考えています。「Ads as content」(コンテンツとしての広告)というキーワードでスマートニュースの思想を表していますが、それを最大限に表現するためにoCPC配信の機能を開発しました。

自動で入札価格を最適化するoCPC配信

――oCPC配信がもたらすメリットを具体的に教えていただけますか。

蘭:oCPC配信は、機械学習によって自動的に適切な入札価格を設定するという特長があります。ユーザーの特性と傾向、コンバージョンのレベルでのユーザーと広告との相性、広告の配信実績をもとに予測モデルを構築して入札価格の計算をしております。

 細かなオペレーションをしなくても、広告との相性がよくてコンバージョンが見込めそうなオーディエンスに対して高めの入札価格を設定し、あまりコンバージョンが期待できないオーディエンスには低めの入札価格を設定します。自動的に価格の調整ができるというのが特長です。

小宮:これまでは、パフォーマンスの合うオーディエンスにも合わないオーディエンスにも同じ入札価格が設定され、結果的にCPCやROASの悪化を招くことがありました。しかし、oCPCであれば、広告配信ボリュームとCPAのバランスをとった配信ができます。

 広告代理店の設定する目標CPAに、まだ厳密にとはいえませんが、近づける努力をしています。広告代理店の方は、CPAを収束させることを前提としたキャンペーンを手軽にできるようになるはずです。

ユーザーの広告体験を向上させる

――oCPC配信によって、広告代理店が別のところに力を注ぐことができるということですね。

蘭:oCPCの機能を使って『誰に届けるか』までは私たちが最適化します。その先の『どういった情報をユーザーにお届けするか』を広告代理店や広告主の方々に考えていただきたいと考えています。

――ユーザーにはどんなメリットがありますか。

小宮:従来のCPCで高めに入札価格が設定された広告では、その広告に興味を持たないユーザにも配信されてしまいます。しかし、oCPC配信を利用することで、ユーザーと広告の相性を加味した良質な情報としての広告を提供できるので、ユーザーにとっての広告体験がよりよいものになるのではないでしょうか。

――oCPC配信を提供する目的は他にもありますか。

小宮:メディアが獲得効果で評価される傾向があるなかで、スマートニュースは価値をまだ最大化できていないように感じていました。私たちは、みなさまの評価以上にいいメディアだと信じていますが、私たちが考える媒体価値と広告主や広告代理店の方々からの評価にかい離がありました。oCPCを開発したのはそのズレを解消するためでもあります。スマートニュースのメディアとしての価値を最大限に引き出すというのがもうひとつの目的です。

スマートニュースがoCPC配信を開発できる理由

――oCPC配信では、どのくらいで最適化が可能なのでしょうか。

小宮:収束のスピードを考えると、インプレッションは数万以上、クリックも数千は必要になります。キャンペーンによってばらつきはありますが、コンバージョンは少なければ数十、より精緻な予測をするには数百は欲しいですね。時間にすると、代理店の方には2日ほどと伝えることが多いですね。そのくらい経てば、どんどんCPAが最適化されていきます。

――御社がoCPC配信を開発できた理由はなんですか。

小宮:スマートニュースだけの特別な機能だとは思っていませんが、プラットフォームがあることの意味は大きい。自社アプリで広告を出し、ユーザーに質の高い広告体験を届け、自社の中ですべてを完結することができます。その上、エンタメなどに偏ることなく、幅広いニュースを配信し、広範囲のユーザー特性を捕捉できているので、広告配信に役立つ質の高い大量のデータを蓄積できています。

蘭:私たちは、ユーザーに無駄なクリックをさせたくありません。クリックで課金することを目指しているのではなく、広告主が1コンバージョンにかけるコストを、あらゆる方法を使って抑えることをこのプロダクトの目標にしています。

――oCPCを使った効果的な事例があれば教えてください。

蘭:oCPCを使うことによって、結果的に、1インストールにかかるコスト(CPI)が100円以下だった案件が出ています。1クリックが30円だったとしたら、コンバージョン率が約30%になります。

小宮:不動産系の広告はコンバージョンまでのコストが高くつきやすいのですが、oCPCでテスト運用をした結果、資料請求や申し込みに至る確率が非常に高かった。配信結果を見ると、目標CPAよりも低い金額で獲得できたことがわかりました。

 現在、oCPCは本格稼働しており、どの代理店の方にも使っていただけるようになっています。案件の半分ほどがoCPCになっていることは、エンジニアとしてはうれしい限りです。

――今後の展望を教えてください。

小宮:広告事業にはいろいろなステークホルダーが存在しています。私たちのプラットフォームで考えると、広告主、広告代理店、コンテンツを提供してくださる媒体社、ユーザー、最後にスマートニュース。SmartNews Ads は、それぞれのステークホルダーの満足度を最大限に高めることが究極の目標です。

蘭:広告に関わるすべての人が幸せになるように、全体の満足度を高められるようにしていきたい。そのための方法のひとつがoCPCであると思っていただければいいですね。

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この記事の著者

元永 知宏(モトナガ トモヒロ)

1968年、愛媛県生まれ。立教大学野球部4年時に、23年ぶりの東京六大学リーグ優勝を経験。ぴあ、KADOKAWAなど出版社勤務を経て、フリーランスに。『本田宗一郎 夢語録』、『羽生結弦語録』(ぴあ)などを編集。2016年10月に『期待はずれのドラフト1位』(岩波ジュニア新書)を上梓した。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2017/03/27 10:00 https://markezine.jp/article/detail/26204