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BtoCで存在感増すオウンドメディア、今からどうする?【講座立ち読み】

 マーケターに最新の実践的なノウハウをお届けしているMarkeZine Academyの人気講座「2日で分かるWebマーケティング基礎講座」。今回は「BtoCのWebマーケティング戦略」を担当する増田直行さん(イー・エージェンシー)に、オウンドメディアにフォーカスした本講座についてお話をうかがいます。

2日で分かるWebマーケティング基礎講座

最もクロージングに近いオウンドメディアで何をするか

――増田さんが担当されているのは、戦略に重きを置いた1日目の「BtoCのWebマーケティング戦略」です。講座の狙いはどういったことでしょうか。

増田:私はこれまでWebサイト制作やリニューアル、サイトの運用等、多くの企業へWebソリューションの提供をしてきました。本講座においては、現場で試行錯誤してきた経験をぎゅっと詰め込んで、皆さんにお伝えしたいと思っています。

 BtoCのWebマーケティングは手法がたくさんあって難しいため、受講者の皆さんにはまず基本となる知識を身につけていただこうと考えています。基本を知れば、自社に何が足りないかが見えてきます

 それに対してどんな施策をどう進めていくか。無数にある手法のうち、どれを採用してどう組み合わせるかを考えるのが、マーケターとしては一番楽しく、一番難しいところではないでしょうか。それができるようになるサポートをするのがこの講座の狙いです。

 受講してほしいと思っているのは、1年目、2年目のWebマーケターはもちろんなのですが、オウンドメディア(自社サイト)の運用を担当している方や、これから取り組もうという方です。オウンドメディアはもはやWebマーケティングを行ううえでは欠かせませんからね。

――講座ではどういったことが学べるのでしょうか。

増田:BtoCのWebマーケティングの特徴は、BtoBと違って大勢の方が短期間ですぐに意思決定することです。そして、生活者が様々なメディアで接する中で最もクロージング力があり、自社のビジネスにおいて最も成果に貢献しやすいのがオウンドメディアだと言えます。

 しかし、だからといってオウンドメディアをただ作ればよいというわけではありません。自社のビジネスに貢献するためにオウンドメディアでどんなことをすればいいのか。この講座では、そうした具体的な手段の部分をフレームワークとしてお伝えしています。

増田直行さん
増田直行さん:イー・エージェンシー

イチかバチかのリニューアルは時代遅れ

――やはりオウンドメディアに取り組もうとしている企業は増えていますか?

増田:いまや当たり前といった感覚もあります。特に本講座に参加される方の多くは何かしらのオウンドメディアを所有しており、そこでビジネス成果を求めて取り組んでいるケースがほとんどだと思います。

 これまではサイトを構築してしばらくしたらリニューアルという流れが主流でしたが、現在では構築またはリニューアルしたあとにどのように運用していくかが重要になっています。過去に受講された方も、そこに課題を感じていることが多かったですね。

 Webマーケターとして初めて自社サイトに取り組む方の場合、知識もアイデアもまだなく、サイトを作ること、リニューアルすることに意識を集中しがちです。リニューアルすること自体はなんとかなっても、それを成果につなげるのは簡単ではありません。

 こういった取り組みの目的はサイトのリニューアルではなく、売上や成果の向上のはずです。では、その目的を達成するためにイチかバチかのリニューアルするのと、リニューアルせず少しずつ改善していくのとどちらのほうがいいのか。講座ではそう問題提起して、リニューアルのリスクも知ってもらうようにしています。

 様々なマーケティングツールやフレームワークを活用しオウンドメディアを運用していく時代に、リニューアルのような大規模な施策を中心に捉えるのは非常にリスクが大きいです。そこで私が強く言っているのが「イチかバチかのリニューアルは時代遅れ」ということです。目的のための改善と運用が肝要で、リニューアルはその改善手段の一つです。

最適解を見つけるための基準を身につけられる

――オウンドメディアは当たり前の施策になりつつあるがゆえに皆さんの課題に挙がりやすそうです。ソーシャルメディアに関しては落ち着いてきたという印象でしょうか。

増田:ソーシャルメディアももちろん重要ですし、注力するべきメディアです。ただ本講座においては企業のビジネス成果に直結しやすく、自由が利くオウンドメディアをどう運用していくかにフォーカスするのがいいだろうと考えました。

――自由が利く、というのは大事なことですか?

増田:マーケターは1秒1秒が仕事で、そこに全力をかけています。成果が出なければ会社にいられないという方もいるかと思います。そういう方々にとって、自分でコントロール可能なクロージングに近いメディアでの施策は肝になります。マーケティングに関わっている以上は目に見える数字を残さなくてはいけませんからね。

 また、オウンドメディアなら施策もデータ収集も分析も自由です。成果のためにやるべき課題を見つけられるのはもちろん、対策を練って思いどおりに実施することもできます。

 ただ、そこで困ってしまうのがどのツールやサービスを選べばいいのかということです。実は、皆さんとも課題自体は見つけることができるんです。しかし、そこからどうすればいいのかわからない。解決してくれそうなソリューションがあっても、それが自社に最適なものかどうかわからず、選べないというんです。

 当然、企業ごとに最適解があります。講座でもたくさん手法を紹介します。ですが、その中から適したものを選べないならどうしようもないので、それぞれの課題に対する共通解は提示しています。それを基準に、最適解を見つけてもらいたいですね。

小さな改善の積み重ねが大きな成果に

――では、講座全体の流れを教えていただけますか?

増田:前半では、BtoCのWebマーケティングを行ううえで必要な考え方、概念をお伝えします。我々の実績に基づく事例や、歴史的な事柄、海外の失敗事例がベースです。

 たとえば、リニューアルにおける失敗事例も紹介します。講座ではリニューアル後にトラフィックが大幅に下がってしまったアメリカのソーシャルニュースメディア「DIGG」を例に挙げ、一体なぜそうなったのかを考察します。

 一般的なセミナーやWebメディアでは企業の成功事例を紹介することが多いと思いますが、このように私はできるだけ失敗事例を紹介するようにしています。皆さんの眉が八の字になりますね(笑)。

 実際には失敗事例にこそ学びが多いんです。けれど、世の中には出てきにくいのも事実。ただ、あくまで私の経験からですが、リニューアルに失敗した事例は大量にあるはずです、それこそ成功事例の何倍もです。そこで「なぜ失敗するのか」と問わないわけにはいきません。

 講座の後半では、前半の内容を踏まえた戦術寄りのお話をします。具体的には、オウンドメディアをどのように改善していくかという内容です。とりあえずリニューアル、とりあえずログ解析、といった「とりあえず」で取りかかるのではなく、全体のフレームワークがある中でどういう順序で取り組むべきなのかを検討します。

 紹介するのは理想的な手法よりも、今日明日から成果を伸ばしていける実践的な手法が中心です。そのため、やや地味に感じられるかもしれませんが、大切なのは小さな改善の積み重ねです。

課題の抽出
課題の抽出、仮説の立案、仮説の検証、分析と反映

どうせ失敗するならうまく失敗しよう

――本講座を受講した方に、一番学んでほしいことはどんなことでしょうか。

増田課題の優先順位のつけ方についてはぜひ持って帰っていただきたいですね。穴が開いているからすぐ塞ごう、とばかりに課題を抽出したあとすぐアクションしてはいけないんです。

 もしかしたらその穴は複数あるかもしれません。五つあったとして、優先順位が高いのはどれで、それはなぜか考える必要があります。そのうえで仮説と施策を考案します。さらに実行する前に、本当に効果があるか検証もしなければなりません。

――課題を見つければほとんど解決したも同然、といったことも言われますよね。

増田:そう思われている方も多いようですが、課題は課題であって改善案ではありません。穴を見つけて喜んでいても仕方がなく、どう埋めるかが真に大事なことです。自分たちの目的から逆算して、最も邪魔になる穴から埋めるべきなんですが、とりあえず見つけた穴から埋めていく企業も意外とあるんです。

 とりあえずやってみよう、失敗したらそこから学ぼう――という意識は大切ですが、失敗しない確率を高めたほうがいいですし、どうせならうまく失敗すべきです。本講座では失敗しないための手法を解説しますが、していい失敗をするための手法もお伝えしようと思っています。

講座をチェック

2日で分かるWebマーケティング基礎講座

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この記事の著者

渡部 拓也(ワタナベ タクヤ)

 翔泳社マーケティング課。MarkeZine、CodeZine、EnterpriseZine、Biz/Zine、ほかにて翔泳社の本の紹介記事や著者インタビュー、たまにそれ以外も執筆しています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2017/07/07 13:37 https://markezine.jp/article/detail/26232

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