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【広告効果測定基礎】海外で解明された効果


クロスメディア効果の研究

 インターネット広告のインプレッション効果が解明されてくると、次に注目されたのはインターネットとマスメディアを組み合わせたクロスメディア効果だった。

 OPAは2002年1月から2月にかけて、メディアミックスが広告認知率に与える影響を測定している。テレビ広告だけを露出するグループとインターネット広告だけを露出するグループ、およびその両方を露出するグループの広告認知率を、広告を露出しないグループの広告認知率と比較した。

 それによると、テレビ広告とインターネット広告の両方を露出したグループのテレビ広告認知率およびインターネット広告認知率は、テレビ広告だけまたはインターネット広告だけを露出したグループのそれよりも高かった。

 また、EIAAは2002年7月から10月にかけて、ドイツ・イギリス・フランスの3カ国でクロスメディアキャンペーンの効果を測定した。この調査は7カテゴリー15ブランドのキャンペーンを対象に実施され、マスメディアにインターネットを組み合わせることによって広告のリーチが広がることが確認された。さらに、マスメディアだけまたはインターネットだけで広告に接触した人よりも両メディアで広告に接触した人のほうが、広告認知、ブランド認知、購買意向などが高かった。

予算比率の研究

 有効なクロスメディアプランを立案するためには、広告キャンペーンの予算のうちインターネット広告が占めるべき適切な比率を求めなければならない。これに対する回答を打ち出したのが、ユニリーバの石鹸ブランドについての調査だった。マーケティングエボリューションの監修により、MSN、ARF、IAB、ダイナミックロジックが共同で2001年10月から11月にかけて実施したものだ。テレビ、雑誌、インターネットを組み合わせたキャンペーンの効果を測定した。

 それによると、インターネット広告のリーチとフリークエンシーはそれぞれブランドの評価を高める効果があった。キャンペーン予算に占めるインターネット広告の比率は2%に過ぎなかったが、これを15%に高めた仮想プランであれば、ブランドの総合的な指標がさらに8%、特に購買意向率は14%上昇していたはずだというシミュレーションがなされた。その仮想プランは、テレビと雑誌についてはリーチをそのままにフリークエンシーを減らし、インターネットについてはリーチとフリークエンシーの両方を高めたものだ。その後、同一手法の調査はマクドナルドなどの複数のキャンペーンに対しても実施されている。

EIAAが2002年7月から10月にかけてドイツ・イギリス・フランスで実施したクロスメディア調査。
日記式アンケートにより回答者の広告接触状況を把握して、
接触した広告ごとのブランド評価の差異を分析した。
複数メディアの広告に重複接触することにより、広告効果が向上することがわかる。

 また2003年3月、ダブルクリックはネットレイティングスやインタラクティブマーケットシステムズとともに行ったメディアプランのシミュレーションを発表した。キャンペーン予算に占めるインターネット広告の比率を高めることによってテレビでは到達しづらいターゲットへのリーチを広げられることが、これによっても明らかにされている。

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この記事の著者

太駄 健司(オオタ ケンジ)

インターネット広告について研究しており、「インターネット広告のひみつ」でその内容を公開している。大手総合広告会社に勤務。マーケティングセクション、インターネットメディアセクション(メディアレップへ出向)を経て、現在は複数メディアを組み合わせたクロスメディアコミュニケーションのプランニングを担当している。

著書
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※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2008/02/20 15:23 https://markezine.jp/article/detail/2628

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