データフィード広告市場元年は2011年
データフィード広告市場の元年は、Criteoが日本にダイナミックリターゲティング広告を持ち込んだ2011年。
ダイナミッククリエイティブという動的な広告クリエイティブが、高い広告効果をもたらすとされ、ECサイト、人材サイト、不動産ポータルサイト、オンライン旅行予約サイトなどを運営する、ダイレクトレスポンス型出稿をする最大手の広告主に瞬く間に広がった。
その後2012年にはGoogleが、検索型の商品リスト広告(現ショッピング広告)を開始、そして2013年には動的リマーケティング広告(DynamicX)の提供を開始し、市場の成長は加速する。
日本におけるデータフィード広告市場のこれまでの成長は、CriteoやGoogleなどのプロダクトサイドの魅力もさることながら、実はその裏を支えるデータフィードベンダーが担ってきた役割が大きい。
市場の黎明期より、CriteoやGoogleのプロダクトの優位性を市場で啓蒙し続け、そして広告主と媒体との橋渡し役となり、データフィード広告の導入を支援してきた。
媒体社と一緒に継続的にセミナーを開催したり、データフィードにフォーカスした1,000人規模の大規模イベント「Feedtech」も開催されるなど、データフィードベンダーが業界全体として盛り上げていこうという熱量は大きい。データフィードベンダーの主要プレーヤーとしては、コマースリンク、ビカム、フィードフォースなどがある。
2016年の市場規模は649億円
2016年のデータフィード広告市場は、2016年に649億円、前年比約5割増となった。内訳は、全体の約8割弱をCriteoやGoogleDynamicX、Facebookダイナミック広告などに代表されるディスプレイ型広告が占め、Googleショッピング広告やIndeedなどの検索型広告が、残りの約2割強であった。
金森氏は「この結果は、私たちが日々の営業活動の中で実感する市場の規模感、成長率と近しく、データフィード広告市場の成長にさらに確信を持つことができた」と述べている。

(ビカム/デジタルインファクト調べ)
ディスプレイ型広告については、近年は広告商品の多様化が進み、先述のCriteoやGoogle、Facebook以外にも、サポート支援の手厚さで広告代理店から高い支持を得ているKANADE(京セラコミュニケーションシステム)や、モバイル領域で急成長のDSP、Dynalyst(サイバーエージェント)、運営事業者がアフィリエイト最大手でeコマースのクライアントソースが豊富なnex8(ファンコミュニケーションズ)などもあり、それぞれ売上を伸ばしている。最近は、スマートフォン向けの需要が旺盛と聞く。