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「アダプティブ・インテリジェンス」が変える、CXの未来図 米オラクルCEOキーノート

 「Oracle Modern Marketing Experience 2017」は、オラクルが主催し、マーケティング/セールスなどのビジネスソリューションをテーマに、最新の成功事例やソリューションのアップデートなどを紹介する一大イベントだ。今年の目玉としては、「Oracle Custmer Experience Cloud(以下、CXクラウド)」を始めとするソリューションに人工知能が搭載されるという発表のほか、本イベントの一週間ほど前に発表されたMOAT(デジタル広告の監査企業)の買収などが注目されており、世界50カ国から約5,500人の参加者が集まった。

デジタルマーケティングにおける、CXの重要性とは?

 CXクラウドは、主にマーケティング、販売、サービス、コマース、ソーシャルなどの領域に関するソリューションのグループのこと。マーケティング領域のソリューションは「Oracle Marketing Cloud」と呼ばれ、BtoC向けのMAアプリケーションとして「Oracle Responsys」、BtoB向けのMAとして「Oracle Eloqua」などが知られている。

 このイベントの初日となる25日には、米オラクルのCEO Mark Hurd氏による、キーノートセッションが行われた。

米オラクルCEO Mark Hurd氏
米オラクルCEO Mark Hurd氏

 Hurd氏は、昨今では多くの企業が伸び悩みを見せている一方で、顧客はこれまで以上に洗練され、自分たちでイノベーションを起こし始めていると指摘。多くの企業が伸び悩んでいる現在、企業がマーケットシェアを拡大するためには、競合企業のシェアを奪うことが重要となってきていると語った。そのための重要なファクターとして、顧客体験(以下、CX)が大きな役割を担うという。

「レンタカーを例に出しましょう。たとえば、急ぎの用事があるときにレンタカーを借りたいと思ったとします。そこでレンタカーショップに電話をかけ、『以前車を借りたMark Hurdですが…』と話したとします。そうすると、店員は大抵、『あなたのユーザー番号は?』と聞いてきますよね。ほとんどの場合、レンタカーショップでの番号なんて覚えていません。しかし、ショップは私の名前とユーザー番号を知っているにも関わらず、ユーザー番号がないと私が誰なのかわからず、私は車をレンタルすることができません。ようやくユーザー番号を探し当てたときには、空きの車がない、という状況も起こりえます。

 こんな経験をしてしまうと、『もうこの店には電話をしたくない』と思ってしまうものです。たとえば、オラクルのCEOである私がそんな経験をして、社員に『二度とこの店から車を借りるな』と言ったら、どのようなことになるでしょうか。たった一回の出来事で、この店は多くの顧客を失ってしまうのです。先日のユナイテッド航空の例にもあるように、ユーザーはひどい顧客体験を忘れません。このように、CXの向上は、マーケットシェアを獲得する上での大きな差別化につながるのです。
 CXを向上するためのカギとなるのが、データです。オラクルでは『Adaptive Intelligence Apps(以降AIA)』により、データ主導で正しく迅速な対応を導くための新たらしい技術的なチャレンジを行います」(Mark Hurd氏)

AI×ビッグデータで、「顧客の悩み」瞬時に予測する

 続いて、データ主導のマーケティングにAIを掛け合わせることでCXを向上させる手法について、Vice President DevelopmentのJack Berkowitz氏がデモンストレーションを行った。

CX Cloudのほか、同社が提供する各種ソリューションにAIAが導入される

CX Cloudのほか、同社が提供する各種ソリューションにAIAが導入される

 Oracle Vice President DevelopmentのJack Berkowitz氏

Oracle Vice President DevelopmentのJack Berkowitz氏

「オラクルAIAは、二つの主な特徴があります。一つは、『データ主導』。この場合のデータというは、企業が所有するデータだけでなく、我々が許諾を得て利用することができる他社企業の顧客データやビジネスデータをも含みます。企業は、自社が所有するデータだけでなく、第三者のデータも利用して意思決定を行うことができます。もう一つの特徴は、『人工知能によるデータ分析』です。ユーザー企業は、自社&他社のデータの分析を行う場合に、人工知能による解析を活用することができるようになります」

 Berkwitz氏は、「仕事の前日にカメラが故障してしまったカメラマン」を例に、AIAの活用例を紹介した。

「AIAを導入したOracle Service Cloudでは、このカメラマンからチャット上での相談があった瞬間に、彼のLTVの高さやこれまでの購買履歴、ソーシャル上での影響力などから、VIP級の顧客だということがシームレスに判断可能になります。さらに、彼がチャット上での話から、彼がもつカメラの機種名を検知し、そのカメラのどの部分で故障があったかを自動的に予測します。その間、カスタマーサポートは何もする必要がありません。人工知能は、自動的に最適な対応テキストを表示し、サポート側は適宜それを選ぶだけで解決策への誘導を行うことができます。この事例でAIAは、すぐに手に入る修理器具や最寄りの修理ができる場所を紹介したり、同じ機種をレンタルできる場所を提案するといった行動を提案します。

 AIAを導入することで、ほんの数秒で、顧客データの集約と対策法の提案までを行うことができ、迅速な顧客対応が可能になり、より高品質なCXを提供することができるのです」(Berkwitz氏)

AIAによるAIチャットボットの一例。AIがサポート側に適切な対応法を提案する

AIAによるチャットボットの一例。AIが顧客を解析しサポート側に適切な対応文の提案を行う(クリックで画面を拡大)

 Hurd氏は、初日のキーノートセッションを下記の言葉で締めくくった。

「データへのアクセスは、人間がやるよりもコンピューターが自動で行うほうが速い。AIを活用することで、より高速で快適なサービスを提供することができるようになります。膨大なデータの解析を自動化し、より早く、正確な戦略を提案することで、ユーザー企業の競争を支援すること――それが、我々の仕事です」

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2017/04/27 10:00 https://markezine.jp/article/detail/26438

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