SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

「ポリティカル・コンシューマー」にみる、新たな消費者インサイト

米国の成功事例から考える、ポリティカル・コンシューマーと企業のベストな関係性は?

キッチン用品メーカーによるユニークな取り組み

 キッチン用品メーカーMaytagは、一風変わった取り組みを実施し話題となった。同社は独自の調査で、多くのひとびとがソーシャルメディアで政治的な誹謗中傷を見るのがもっとも不快に感じていると知り、そのような誹謗中傷をブロックするアプリを開発した。このアプリはChromeブラウザーで使えるもので、友人を完全にブロックすることなく、政治的な誹謗中傷だけをブロックすることができる。

キッチン用品メーカーMaytagが開発した政治的誹謗中傷ブロックアプリ(出典)JWT Intelligence「THE POLITICAL CONSUMER」
キッチン用品メーカーMaytagが開発した政治的誹謗中傷ブロックアプリ
(出典)JWT Intelligence「THE POLITICAL CONSUMER」

Youtubeで約1,700万回再生されたメッセージ動画

 旅行特化型サーチエンジンMomondoが実施した取り組みもソーシャルメディア上で非常に話題となったので紹介したい。MomondoはユーザーにDNAテストをしてもらい、そのユーザーの祖先が世界のどこから来たのか分析し、ユーザーにその場所への旅行をプレゼントした。人間のつながりは政治的な対立で分断されるようなものではないというメッセージを発信したこの取り組みはYoutubeで配信され、2017年6月時点で1,700万回近い視聴回数を稼いでいる。

 

ポリティカル・コンシューマーと関係性を構築するポイント

 このほか米国ではVerizonやHPなどの大手企業が、消費者とのつながりを意味のあるものにしようと企業の顔となる広告代理店に対して、より多くの女性やマイノリティーを雇用するよう促している例もあるようだ。このように企業は政治的・社会的課題に対し俯的な視点から関わることで、分断を避けポリティカル・コンシューマーとの関係構築を試みている。重要なことは社会の多様性に目を向け、少数グループの声を聞き、包括的に考えることではないだろうか。和を重んじる日本人だからこそ得意なことかもしれない。

 最終回となる次回はこれまで紹介した欧米のポリティカル・コンシューマー動向、企業の取り組みを踏まえ、マーケティング・PR担当者の視点から日本ではどのように考え、取り組んでいくのが好ましいのか考察してみたい。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
「ポリティカル・コンシューマー」にみる、新たな消費者インサイト連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

細谷 元(Livit)(ホソヤ ゲン)

生成AI関連のトピックを中心に執筆。最近の注目トピック/キーワード:エージェンティックAI、LangGraph、Deep Research、Anthropic、オープンソースモデル

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2017/07/03 08:00 https://markezine.jp/article/detail/26709

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング