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創業70周年の老舗広告代理店「I&S BBDO」、国内外で支持される理由に迫る

2017/08/07 08:00

3社がシームレスに連携して生まれた成果

 続いて、I&S BBDOグループの特徴について、代表的な2つを阿久澤氏に挙げてもらった。1つ目が、社内クリエイティブユニット「CUTTING EDGE」の結成だ。斬新な、最先端の、という意味を持つ同ユニットは、I&S BBDOとBBDO J WESTのメンバー4人で構成。メンバーには、福岡のタイヤメーカーAUTOWAYのPV「雪道コワイ」という、2014年当時に多くの拡散を呼んだバズ動画を手がけたコンテンツ・プランナー、眞鍋海里氏も参画する。

 「たとえば、割り勘アプリpaymo(ペイモ)のPVのプランニングを眞鍋が手がけています。単なる広告・マーケティング施策ではなく、続きが気になるコンテンツを発想・映像化することが得意な眞鍋のような人材がいること、グループ内で必要に応じて柔軟に連携できることが、グループ全体の強みにもなっています」(阿久澤氏)

 2つ目が、3社連携が機能した事例でもある、広島県尾道市の観光キャンペーン「広島 CAT STREET VIEW 第1弾 --尾道編-- - カンパイ!広島県」の取り組みについてだ。

 「グループ3社と空気株式会社が連携した施策です。目減りする観光人口の打開策として実行しました。実際に尾道市内を歩いてみたときに、街中を散歩する猫の存在に気づいた社内チームの着想から、猫目線のGoogleストリートビューを企画並びに開発。猫目線(足元に近い下からの視点や、ジャンプなどをして屋根の上に登ったような視点など)で街中を探検、回遊できるというサービスです」(阿久澤氏)

 この動画は、国内にとどまらず海外でも大きな反響を呼び、新たなインバウンド観光客の開拓にもつながり、海外観光客も含めて全体の観光客数の底上げに寄与したという。クライアントからも大きな評価を得ることとなった。

モットーは「クリエイティブで人を動かす」

 先ほどの「広島 CAT STREET VIEW」は、アジア太平洋エフィー賞(APAC Effie Awards)、The APPIES 2016、Warc賞(Warc Prize for Asian Strategy)など、アジアを代表する広告賞で金賞を受賞。そもそも各広告賞のエントリーは、クライアントの承諾および成果があってこそだ。クライアントの理解を得られるのは、そのキャンペーンの結果がよいからだともいえる。

 すなわち、クライアントの要望に徹底的に応えることで、国内だけでなく海外の広告賞における高い評価を獲得しているのがI&S BBDOグループの大きな特徴になっている。

 大きな成果を生み出すプロモーション施策をクライアントとともに展開できる背景には、BBDOが大切にする「人を動かす」ことを重視したスローガンにある、と阿久澤氏は補足する。BBDOのスローガンは、「The Work. The Work. The Work.」だ。

 「前置きなしにThe Workとあれば“仕事”と解釈するかもしれませんが(笑)、英語のWorkには“作品”という意味があります。The Workは私たちが生み出す、すべてのコミュニケーション活動であり、作品です。私たちの戦略、リサーチ、プランニング、コミュニケーション・デザイン、これらすべては「The Work」を効果的な形に方向づけ、実現させるためにあります。優れた作品を生み出し、届けることで、消費者の心が動き、商品も動き、クライアントの売り上げへの貢献につながると私たちは信じているのです」(阿久澤氏)

 BBDO Worldwideは、グループ方針として広告賞応募に積極的なスタンスをとっているという。

 「世界的な広告代理店ネットワークの中でも、最も広告賞の受賞数が多い広告会社ネットワークがBBDO Worldwideですが、もちろん受賞ありき、受賞を目的化したスタンスではありません。最大限の効果を引き出すThe Work(作品)を生み出した証左として、広告賞の受賞という結果が副産物、砕けた表現をすればオマケのようなものとしてもたらされているとも考えていますし、こうした環境をポジティブに捉えています。

 また、広告賞の存在は、BBDO Worldwideでネットワークされた世界各国の広告会社同士での切磋琢磨を促す役割を担っていると思っています。あの国の、あのチームがあの地域の広告賞を受賞した、評価を集めた、という情報もBBDO Worldwide本社があるニューヨークから届くので、そうした情報もいい刺激になっているはずです」(阿久澤氏)


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