講談社は、7月26日、東京・帝国ホテルにおいて第39回「読者が選ぶ・講談社広告賞」の贈賞式を開催した。最高賞の「広告大賞」は、『VOCE』5月号に掲載されたシャネル「ルージュ ココ グロス」の広告が受賞した。また今年から新たに発足した「デジタル広告大賞」には、『FORZA STYVE』に掲載された青山商事の「ユニバーサルランゲージ」の広告が選ばれた。
「進捗するデジタル広告の市場と、弊社メディアの多面的なデジタル展開に合わせて、今年度から『講談社デジタル広告大賞』を新設し、『読者が選ぶ・講談社広告賞』と2本立ての贈賞式となりました。私どもの上半期の広告収入は、計画予算を達成いたしました。特にデジタルの広告収入が大幅に伸長しており、売り上げの25%の比率を占めるまでに至っています。今後も、本日集まっていただいた皆様がたの課題解決に貢献していきたい」と講談社 代表取締役社長 野間省伸氏は述べた。
テクノロジーの進化に伴い、広告はどう変わっていくのか
また贈賞式において、「講談社デジタル広告賞」の特別審査員を務めた佐藤尚之氏、本田哲也氏、はあちゅう氏を招き、今後の広告をテーマにしたトークセッションが行われた。
――デジタル広告はこれからもどんどん変わっていくと思います。次世代通信システム「5G(第5世代移動通信)」の時代になれば、通信環境はさらに改善し、新しい表現方法も出てくるでしょう。同時にAIをはじめとするテクノロジーもより進化しているはず。そうなった時に、広告はどう変わっていくのでしょうか。
佐藤:テクノロジーの進化は、まったく関係ないですね。喜んだり、泣いたり、人の心を動かすコンテンツをつくること、共感するストーリーをつくることは、単純にAIが代替できることではありません。これまで出版社が培ってきたコンテンツ制作力が、あらためて重要になるのでは。
本田:僕も同感です。やはりAIに奪われない部分をしっかりやっていくべき。人間の本質、すなわちインサイトをつかむこと、新しいブランドや商品に意味付けをしていくのは、人間の仕事です。一方で、データを分析したり、最適化するといった作業はAIに置き換わっていくでしょうね。しかし、テクノロジーはあくまで手段であって目的ではありません。
はあちゅう:かつて広告会社にいた頃も、新しいものを使うこと以上の提案ができるかを、常に考えていました。結局のところ、伝えたいメッセージに合わせて、新しいものをうまく使っていくこと、そして伝えたいメッセージがぶれないことが大事です。
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