adjust(アジャスト)は、アドフラウドに対峙するための不正防止連合(Coalition Against Ad Fraud、以下、CAAF)を正式に結成し、同連合への加入ガイドラインを発表した。第1期メンバーにはDynalyst、アイモバイル、nendをはじめ、AdAction、AdColony、AppLift、Aarki、Fyber、Inmobi、Ironsource、Jampp、Liftoff、Remerge、VungleそしてYouAppiの15社が参加する。
CAAFでは、メンバーが遵守しなければならない一連のガイドラインを定義している。この中には、IAB(Interactive Advertising Bureau)標準に基づくこと、レイテンシガイドラインの遵守、不正に対して責任を持って防止に取り組むこと等の内容が含まれている。
アトリビューションおよびアクセス解析のサービスを提供しているAdjustは、パフォーマンスモバイル広告のフラウドを直接防止する不正防止ツールを構築してきた。昨年、米国内のモバイルアプリ内広告費が56億ドルを突破するなか、パフォーマンス広告におけるフラウドは、広告主やネットワークにとってもはや無視できない問題になっている。
不正行為の割合はネットワークとパブリッシャーによって異なるが、総メディア費用の1%未満から10%超の範囲といわれている。不正業者は不正を気づかれた途端、他のオファーやネットワークに素早く乗り換えるため、上記の不正行為比率は不正を防止することで劇的に変化する。
このためメディアレベルで不正なアトリビューションを拒否することが必須であり、CAAFはこれを自らの主たる活動目的の一つとしているという。
現在、Adjustが提供する不正防止ツールでは、2,000以上のグローバルアプリに不正なアトリビューションが紐付けられることを防いでいる。結果として1日に100万ドル以上にのぼる不正な広告に紐付いたインストールをリジェクトしているという。これには、Zynga、Pocket Gems、Careem、Viberなどの企業のアプリが含まれる。
Adjust共同創業者兼CEOのクリスチャン・ヘンシェル氏はCAAFの結成にあたり次のように述べている。
「パフォーマンス広告の不正と戦う唯一の方法は、モバイル広告ネットワークと広告主にとって透明な環境を作り出すことです。不正に対処するためには、テクノロジーへの継続的な投資、そしてパートナーとの連携と協業への意思が欠かせません。だからこそAdjustでは、私達全てに影響を与える重要な問題について、主要なグローバル広告ネットワークが連携するよう求めたのです」
さらにヘンシェル氏は「モバイル広告業界における不正行為と闘うためには、パートナーとの協力体制が不可欠です。このため、これらのガイドラインを発展させ遵守することが極めて重要です。私達はただ一人でそれをやることはできませんが、不正を防ぐにあたって協力することでより大きな効果を生むことができるのです」と語った。
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