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成功事例から学ぶ!コミュニティマーケティングの秘訣

自走化して日本組織までできちゃった!アマゾン ウェブ サービスのコミュニティ運営事例


コミュニティ運営の専任を設置し、さらにグローバル展開を

松澤:この度、新しくコミュニティプログラムマネージャーに沼口繫氏が専任で就かれたと聞きました。今後コミュニティの運営はどのように変わって行くのでしょうか。

石橋:この2年JAWS-UGとの連絡は、私を含めエバンジェリストなどと兼任していましたが、ついに専任を設けることになりました!沼口が入ることで、JAWS-UGとの情報交換がしやすく、連携が強くなっていくことを期待しています。

 JAWS-UGの新たな活動としては、今年の9月から日本を含むAPAC地域のコミュニティリーダーが集まり、コミュニティ運営の体験談などを、国を超えて情報共有するような場も出てきています。またJAWS Festaは毎年東京で開催されるJAWS DAYSの地方版でコミュニティ主導のイベントとして、11月に開催されます。

松澤:ありがとうございました。今後も注目しています!

今回のポイントをおさらい

 AWSは、全国に広がる商品勉強会のコミュニティがビジネス的な要素までけん引している素晴らしい例です。しかし、すべての会社がこれを真似て展開すれば良いわけでもありません。どういったビジネスで応用できるのか、今回の事例のポイントをまとめてみましょう。

 まず、今回のポイントは、対象となるサービス・商材のコンバージョンの頻度にあります。AWSのクラウドサービスは、消費財などと比較すると1件あたりのLTV(顧客生涯価値)が大きく、他社への乗り換えも起こりにくい。導入を決めた後にサポートし合える勉強会のような場所があることは絶大なメリットになります。

 次に注目すべき点は、AWSのサービスの種類の多さです。AWSの場合、商材が90以上あり、機能も頻繁にアップデートされます。この点でも、ユーザーをサポートできる環境を整えることは必要不可欠です。

 最後は、既存コミュニティを活用できていること。エンジニアにとって自分の知識をアップデートすることは大きな喜びであり、こういった勉強会は今回の事例に限らず様々にあります。AWSは、バラバラに存在していた自社商品の勉強会を横につなげて再形成した点で秀でていると言えます。

 またどんなコミュニティでも真似できるのは、お手本を前に出す手法です。AWS Samuraiのような称号は、コミュニティ自走する際にメンバーが目指すべき方向を示す指標になります。ちなみにコミュニティマーケティングでは、「階層化」はゲーミフィケーションとして重要な戦略ですが、今回のケースでは階層化に向けてAWS側は特にアクションを起こしていないようです。勉強会同士で優劣をつけることもなく、組織化に至ったのは、円滑な運営のための自然な流れだったのでしょう。

 前回取材したcottaさんが、意図的にブロガーさんを階層化していた方法とは、大きく異なるアプローチですね。ゲーミフィケーションは個人ユーザー、かつコンバージョンポイントが多い商材を扱う事業で特に有効である傾向があります。(前回記事:主婦ブロガーを起用して大成功!徹底的な階層化で自走するcottaのコミュニティ運営事例

 このように、オフラインでのユーザー勉強会が全国展開されている背景には、多くの要素があります。それらを分析・把握して、自社に何が活かせるか考えてみましょう。

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この記事の著者

松澤 亜美(マツザワ アミ)

 コミュニティマーケティングを専門とするコンサルタント。2014年より、Pinterest Japan3人目の社員としてコミュニティマーケティングマネージャーを務める。その後2016年10月からadidas Japanでブランドマネージャーを務めたあと独立。現在は企業や個人に対し、自走するコミュニティの企画運営、活性化をメインに、コンサルタントとして活動している。

 また、2008年に異文化理解コミュニティLunch Tripの共同代表としてコミュニティを立ち上げて以来、国内4拠点や海外、保育園などで活動を拡大し続けている。その他、トラベルブロガーとして世界45カ国以上旅しながら各誌コラムを掲載したり、J-waveでトレンドコーナーを担当したこともある。

 配信ブログ:「Ami-Go!旅と食とピクニックと。」

 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/11/01 11:29 https://markezine.jp/article/detail/27244

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