Hybris買収から4年、SAPとの統合が本格化
Hybrisは1997年にドイツ・ミュンヘンで学生だったThoma氏らが立ち上げたコマースのベンチャー企業。オムニチャネルソリューションを早期に提供したことで知られ、2014年に同じくドイツの業務ソフトウェア大手SAPに買収された。SAP Hybrisとしてコマース、サービス、セールス、マーケティング、課金の5分野でソリューションを提供し、約3,000社の顧客を持つ。
これまでHybris Summitは本拠地のミュンヘンで開催されてきたが、キャパシティの問題から今年はミュンヘンを離れてバルセロナへ。約3,000人が登録し、展示フロアをはじめ規模が大きくなり、SAP色を強く感じるイベントとなった。会期中、約300のセッションが開かれた。
初日の基調講演でThoma氏は、コマースのトレンドとして、マルチチャネル、オムニチャネルと変遷し、現在“チャネルレス”期にあると述べた。「我々は業界で初めてオムニチャネルを創った。新しい時代でも崩壊を続ける」とThoma氏は述べる。
「ソーシャルコンテンツ、デジタルジャーニーなど“顧客の時代”と言われるが、顧客の期待は異なり、製品やブランドとどのようにやり取りするのかの性質が変わっている」とThoma氏。ペルソナが重要であり、適切なポイント、適切なタイミングで、リアルタイムで正しくアプローチしなければならない、と続ける。