予測に基づき、効果の高いプロモーション施策を打つ
顧客を知るという点では、SAP Hybrisの顧客プロファイル作成・管理ツール「SAP Hybris Profile」を持つが、SAPが9月に買収発表したGigyaによりさらなる強化をはかるという。Gigyaはログオン情報などカスタマーID管理技術を提供しており、音声やチャットを含む様々なタッチポイントで顧客を識別し、同意に基づく情報共有などの機能を持つ。
Thoma氏は合わせて、SAPの下であることで小売だけではなく、BtoB、BtoCと様々な業界に拡大していると買収のメリットを説明する。そして、プロセスマイニングと機械学習を利用してSAPバックエンドとSAP Hybrisの統合を行うパートナーCelonisの最新のソリューションを紹介した。
デモでは、オンライン小売が製品の配送が遅れるとどのようなインパクトがあるのか予測するというシナリオを見せた。SAPのデータから素材が在庫切れの場合、再度購入する顧客がどのぐらい減るのかを予測したり、対策として顧客を取り戻すプロモーションを打つにあたって、顧客の優先づけとシュミレーションを通じて効果の高いプロモーションを割り出すなどのことを見せた。


1,513万ドルのコストに対し、1億2,405ドルの売り上げ増が測れると割り出した
Airbnbなどのトレンドを、自社とは無関係と思うべきではない
シェアリングエコノミーでは、SAP Hybris Revenue Cloud、そしてHybrisが数年前から開発しているマイクロサービスアーキテクチャ“YaaS”などで支援する。YaaSは機能レベルに最小化したモジュールを組みわせてサービスを構築するもので、新しいビジネスモデルを支援するシステムを迅速に構築し、改善することができる。YaaSはSAPのPaaS「SAP Cloud Platform」を土台とし、サインアップ、機能の開発、実装、商用プロセスとエンドツーエンドで支援するという。
Thoma氏は「Airbnbなどのトレンドは自社と無関係だと思うべきではない」と釘をさす。「顧客の期待は変わっており、顧客がそれを望む時に応えることができよう準備しておく必要がある」と会場に呼びかけた。