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カスタマージャーニーマップ作成・活用事例(AD)

カスタマージャーニー×NPSで“点”の改善から“継続的な関係性の構築”へ、らでぃっしゅぼーやの挑戦

ジャーニーマップが4分類のペルソナをあぶり出す

 NPSやCJMの導入で得た知見で、新たな(デジタル)施策を模索しており、社内横断的に対応できることに挑みたい考えだ。

 「弊社のデジタル施策は“まだまだ”の状態ですが、昨年夏からようやくマーケティングオートメーション(MA)を本格的に取り入れたり、オンラインアンケートツールを使って顧客への調査を行ったりして、お客様を知るためのアプローチ頻度や精度を高める工夫を行っています」(竹内氏)

 さらに「らでぃっしゅぼーやの考え方」をユーザーに伝えることの必要性を社内に浸透させたいと竹内氏は語る。

 「作っているもの、お届けしているものへの自信があるからこそ、その自信も伝えることが大事だと思います。たとえば、当社では契約農家から直接仕入れた野菜をお届けする “ぱれっと”というセットを用意しています。野菜や果物の数量は指定できますが、収穫状況を優先するため、品目の指定まではできません。商品を選べない理由をきちんと伝えない限り、サービスの狙いはご理解いただけません。例えば連作障害といって、同じ野菜を作り続けると土地がいたんでしまうんです。対策としては、化学肥料を使用する・その野菜を作るのをしばらく休むなどがあります。後者の自然な対策法をとれば品目にもバラツキが生じるため、選べないわけです。こういった考えもお客様に最適な形でお届けしたいと考えています」(竹内氏)

 そこで全社的にCJMを作成する方向性へと舵が切られつつある。顕著な動きが、経営企画部が世代や家族構成、趣向などを加味して、ペルソナを構築したことだ。

 「世代が違えば、接点も変わりますし、家族構成も変わります。高校生がいるご家庭と幼稚園生や小学生を抱えるご家庭だと、同じ商品でも使い方が違ってきます。CJMの描き分けを通じて、世代別の仮説を見出し、具体的な商品開発や営業へと展開したいです」(北氏)

 <カスタマージャーニー研究プロジェクトメモ・その1>

 踏み込んだ次の一手を考える際には、世代別や条件別でCJMを描き分けることがおすすめだ。それぞれでフックとなる箇所が異なるので、CJMをよりスムーズで素直に作れるようになるはず。当然、施策へのフィードバックにも妥当性や正確性が高まってくる。

現状維持や不要な要素を指摘する自由

 最後に、今後CJMからどのようなデジタル施策につなげるかを尋ねたところ、意欲的な声が返ってきた。

 「MAを活用してデジタル施策を推進させたいですね。最終的には売上や利益増に結びつけるための取り組みでもあるので、各部門から最終的なアウトプットをイメージした提案が出てくるのが理想ですね。そのためにも、CS推進部が何も言わなくてもCJMやその考え方が全社に定着するよう進めていきたいと思います。

 加えて、新規獲得を考えて入会を重視しがちなので、その点も最適化できる方向へ持っていきたいと思います。ロイヤルカスタマーの離脱や退会の防止といった既存顧客対策ですね。たとえば、退会の予兆があるお客様には、らでぃっしゅクルーらが情報を共有して、配送時間や実面率を改善したり、声がけで工夫したり。こちらは他社がなかなかできないホスピタリティあふれる、アナログのアプローチも織り交ぜた改善策を実践したいです」(竹内氏)

 北氏はCJMで立てた仮説の正しさを確かめるために、デジタルを活用したい考えだ。

 「お客様への調査などで自動化が進めば、改善部分以外に現状維持でいい分野や、不要なアプローチもあぶり出せると思います。納得できる根拠とともに各部門に提案をすることで、“やるべきこと”により注力しやすい環境作りをCS推進部が牽引していきたいですね」(北氏)

 NPSとCJMとの連携から構築される仮説と対策、さらにその先にあるデジタルによる自動化は、ビジネス最適化の王道と重なる。同社が描く、今後に向けた意欲的なマーケティングへの姿勢や実行力は、「これから」を模索する多くの企業にとっても示唆に富んだものではないだろうか。

 <カスタマージャーニー研究プロジェクトメモ・その2>

 CJMを全社的に浸透させるためには、全社で共有できるデータ化をすすめたい。その際にペルソナごとにジャーニーマップを描き、顧客の声などで答え合わせをしたうえで、各ジャーニーに具体的な数字も落とし込むことで説得力をもったデータになる。

カスタマージャーニー研究プロジェクトとは?
MarkeZine編集部とセールスフォース・ドットコム マーケティングディレクターとして、各企業とジャーニーを研究してきた加藤希尊氏を中心に共同でカスタマージャーニー研究プロジェクトを立ち上げました。本プロジェクトでは、「顧客視点のマーケティング」における成功例を取り上げ、様々なアプローチ方法をご紹介していきます。
カスタマージャーニーマップ作成の事例はこちら
カスタマージャーニーマップを作成した上で、活用している事例はこちらでご覧いただけます。

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この記事の著者

高山 透(コウヤマ トオル)

フリーカメラマン。雑誌の撮影などを主にしています。最近では、webの撮影も多くなってきました。日々の生活は、朝タブレット端末をながめながらコーヒーを飲み、のんびり1日が始まります。 休みの日は、新宿御苑に行ったり、子供と遊んで過ごしています。webサイト

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

加藤 希尊(カトウ ミコト)

チーターデジタル株式会社 副社長 兼 CMO 広告代理店と広告主、BtoCとBtoB両方の経験を持つプロフェッショナルマーケター。WPPグループに12年勤務し、化粧品やITなど、14業種において100以上のマーケティング施策を展開。2012年よりセールスフォース・ドットコムに参画し、日本におけるマ...

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遠藤 義浩(エンドウ ヨシヒロ)

 フリーランスの編集者/ライター。奈良県生まれ、東京都在住。雑誌『Web Designing』(マイナビ出版)の常駐編集者などを経てフリーに。Web、デジタルマーケティング分野の媒体での編集/執筆、オウンドメディアのコンテンツ制作などに携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2017/12/26 11:00 https://markezine.jp/article/detail/27429

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