サイバーエージェントが運営する、動画広告に特化した研究機関であるオンラインビデオ総研は、デジタルインファクトと共同で、国内動画広告の市場動向調査を行った。なお、同調査では、インターネットを通して配信される動画広告の年間広告出稿額を推計し市場規模予測を算出している。
1年でスマホ向けが1,000億超える市場規模に
2017年の動画広告市場は、前年対比163%となる1,374億円に達する見通しだ。この背景として大きいのは、動画広告が配信できる媒体やフォーマットが増えたことで選択肢が広がったこと。企業によっては、媒体やフォーマットに合わせた動画クリエイティブを制作し配信するなど、積極的な活用も進みつつある。
また、スマートフォン向けを想定した動画広告商品の開発・提供が進み、アプリプロモーションに対する需要が増加していることから、動画広告市場全体に占めるスマートフォン比率は年々拡大を続けている。
そのため、2017年のスマートフォン動画広告需要は、前年対比190%の成長を遂げ、1,096億円に拡大し、動画広告市場全体の約8割を占めると同調査では予測している。今後も中長期的に、スマートフォン動画広告需要の拡大が市場成長をけん引し、2019年には2,322億円、2023年には3,485億円に達する見通しとなっている。
インフィード広告が大幅に成長
2017年の動画広告市場規模を広告商品別に推計・予測したところ、ここ数年の主流だったインストリーム広告から、2017年はインフィード広告が著しく成長し前年対比2.6倍の504億円となり、市場全体の4割弱を占めるまでに拡大した。
同調査ではこの背景として、動画広告商品の多様化を挙げた。スマートフォンでの動画視聴を前提とした短尺の広告フォーマットをはじめ、新しいユーザー体験を提供する商品も登場。また、プロモーション目的に応じて課金形態の選択肢も増えるなど、広告主企業による動画広告利用の可能性が広がった点が今回の数字を反映する結果となった。
また、今後もインフィード広告のさらなる拡大は続き、2023年には1,458億円に達し、インフィード広告とインストリーム広告がこれからの動画広告市場をけん引すると同調査では予測している。
【調査概要】
調査主体:株式会社サイバーエージェント
調査時期:2017 年8 月から 2017 年10 月
調査方法:動画広告市場関係者へのヒアリング、
調査主体ならびに調査機関が保有するデータ、公開情報の収集
調査対象:動画広告市場
調査機関:株式会社 デジタルインファクト
【関連記事】
・スマホ動画広告とTVCM、視聴後のアクションにつながるのは?/年代で違い【CyberBull調査】
・ウォンテッドリーの名刺管理アプリ、動画広告の提供開始 ユーザーの20%が年収1,000万円超え
・インタラクティブな動画視聴体験を実現!!BAKE&Co.、新たな動画広告サービスをリリース
・サイバーエージェントの縦型動画アドネットワーク「LODEO」、「DELISH KITCHEN」と連携
・動画コンテンツを視聴するデバイス、ついに「スマホがテレビを超える」【ジャストシステム調査】