CVRは2倍、CPOは3分の2以下に
MZ:配信した結果を教えてください。
藤本:通常の静止画バナーと比較したところ、RDCのほうが購入率が2倍近く高い結果となりました。CPOとしても3分の2程度に収まっています。
これまで、商品を大きく見せたり、紫外線対策としておすすめしたりするなど、運用する中で見つけた勝ちパターンがありました。しかし今回は、紫外線情報を視覚的に見せるなど、これまでできなかった見せ方もできたので、新しいメッセージの配信が可能になりました。
MZ:金原さんは今回の結果を受けて、どういった印象を持ちましたか?

金原:改めて、企業視点でメッセージを発信するのではなく、ユーザーに必要な情報を届けた結果、ユーザーが本当に納得して商品を購入できることが重要だと感じました。また、今回は化粧品の中でも美白ケアの商品のみで行いましたが、その他にも試せそうな商品は多くありそうだなと思っています。
MZ:今回のCVRは、かなり良い数字だと捉えていらっしゃいますか。
金原:はい。RDCでの動的な情報を活用し、ユーザーの置かれている環境、お悩みに応じて最適なメッセージを届けられた結果だと捉えています。
MZ:様々な外部データの中でも具体的に「これは使ってみたい!」というのはありますか?
金原:湿度や性別、年齢ですね。乾燥肌などはスキンケアにおける悩みでも多いですし、年齢と肌は切っても切り離せない関係です。たとえば、具体的な年齢を出してみる、冬であれば乾燥しやすいので、その日の湿度をもとにメッセージを変えてみることができると思います。
より受け手の立場に立ったコミュニケーションを
MZ:美容や健康に関わることは、外的な要因に左右されるものが多いのを考えると、RDCはファンケルの商品と非常に相性の良い広告商品といえそうですね。最後に、今後のマーケティングにおける展望を教えてください。
金原:RDCを提供しているGoogleさんをはじめ、今後様々な情報を広告のターゲティングに活用できるよう、連携が進んでいくのだと思います。
その際に私たちは、より受け手の立場に立った、一方的ではない双方向のコミュニケーションが取れる広告を目指していきたいと思います。そのために、活動できる新しいサービスが出た際には、いち早くチャレンジしたいと考えています。
MZ:藤本さんはいかがでしょうか。
藤本:金原さんのおっしゃる通り、広告メニューは日々新しいものが生まれ、既存のものはアップデートされていきます。ですので、私たちはその中でもファンケルさんに合った広告メニューとコミュニケーション設計をスピード感を持って提案していきたいですね。
また、最初に2回目の購入につながるユーザーの獲得が現在のミッションだと金原さんのお話にありましたが、そこも支援できたらと思っています。簡単なことではありませんが、Googleさんの持つ様々なデータ、更にはファンケルさんの持つデータをうまく組み合わせれば、実現する方法をご提案できると思っています。
MZ:一度購入した人に2回目購入を促すのは、難しいものなのでしょうか。
金原:そのような引き上げ策も重要ではありますが、モチベーションによって難易度が変わります。たとえば、値引き訴求の広告経由だと、安いから買ったという動機になってしまうので、ファンケルの商品だからこそ買いたいというお客様に比べると継続率は変わってしまいます。
しかしRDCによって来たユーザーの多くは、モチベーション高くサイトに訪問してくれています。ユーザーの置かれている環境を意識し、その上で本当に必要な商品であるかを吟味し、商品をご購入いただいています。今後もそういったお客様が増えると嬉しいですね。