実際に配信されたバナーは?
MZ:実際に配信されたバナーを見せていただけますか。
藤本:今回配信したバナーの一部をお見せします。配信しているターゲットのいる地域におけるその日の紫外線の強さをクリエイティブに反映しています。今回対象となったスキンケア商品に最適なデータ活用の仕方だと思います。

金原:今回対象とした商品は、美白をサポートするもので、スキンケア商品の中でも特に天候やシーズナリティが売れ行きに影響するため、RDCにマッチすると考えました。
MZ:続いて、運用をどのようにして行ったのか教えてください。
藤本:元々、今回の商品の静止画バナーでは、紫外線などの言葉をバナーのメッセージとして入れていました。そのため、通常の静止画バナーとRDCによって生成されたバナーどの程度効果が違うのかA/Bテストを行いながら配信しました。
MZ:今回外部データとしては、どのようなデータを取り込んだのでしょうか。

金原:RDCでは多様なデータが取り込めますが、まずはわかりやすく伝えるために、日付、場所、紫外線情報に絞りました。その上で最適な商品情報、メッセージを適宜変えて配信しました。
RDCが「自分ごと」化を促進
MZ:今回の施策で重点に置いた点を教えてください。
藤本:やはり、広告を「自分ごと」として捉えてもらうことですね。デジタル上では情報過多な状況です。その中で自分ごと化させるには、ユーザーがおかれている状況(今回の場合ですとユーザーが今いる場所)をバナーに表示させることが、効果的と考えました。

たとえば、「紫外線が非常に強い」というメッセージを見た時に、美に多少なりとも関心のある女性であれば「紫外線対策をしないと」「スキンケアしないと」と自分に置き変えて意識すると思います。
今回の商品のターゲットは30代以上の女性で、「誰に」の部分は固まっていました。それ以外の「いつ」「どこ」といった文脈をリアルタイムにバナーに反映することができるRDCは、バナーに自分ごと化の要素を加えました。
MZ:確かに、今回のバナーを見て、商品の訴求よりも「今日は暑い」「紫外線が強い」といった実感が増すように思えます。
金原:特にGoogleで検索後にサイトを閲覧している場合、お客様が何かの目的で検索をしているので、単純な広告だと埋もれてしまいます。それならば、ユーザーの目線に合わせた、情報提供から始めたほうが、結果的に反応も良いと考えました。