モニター数の多さだけじゃない!「LINE リサーチ」の特徴
LINEは、2016年11月にリリースしたスマートフォン専用のリサーチプラットフォーム「LINE Research Platform(以下、LINE リサーチ)」に関するセミナーを実施した。セミナーのテーマは「LINEで変わるコンシューマーリサーチ」だ。
「LINE リサーチ」をリリースした当初、同社は「マーケティングリサーチにおけるデバイスの変化」をサービスの特徴として捉えていた。しかしリリースから約1年間経ち、どうやら「LINE リサーチ」がもたらした変化はそれだけではないことが明らかになってきたという。セミナーではサービスの概要説明に加え、活用の際の事例やポイントなどが共有された。
セミナーはまず「LINE リサーチ」の特徴の説明から始まった。まず「LINE リサーチ」の最大の特徴は、やはりモニター数の多さだ。アクティブモニターの総数は約354万人であり、これはLINEの巨大なユーザー基盤ゆえの特徴であろう。またLINEは若年のユーザーが多いことから、従来の調査では諦めていた出現率の低いモニターへの調査も可能である。
次に挙げられた特徴は、モニター組織の代表性の高さ。現在、15~59歳のスマートフォン利用率は約85%であるが、その内LINEを利用している人の割合は約90%に上る。性別に大きな偏りがなく、また年代属性も幅広いことから、「LINE リサーチ」におけるモニターは代表性が高いといえる。
さらに、回収がスピーディーだ。アンケートはプッシュ通知で送られるため、ユーザーがアンケートの存在に気づきやすいのだ。具体的には、通常24時間以内に、ほぼ回収を終えられる。また、他社のアンケートモニターに登録していないフレッシュなサンプルの割合が約70%であり、調査慣れしていないユーザーへアンケートを実施することができる点も注目すべきポイントであろう。
従来型調査と「LINE リサーチ」のモニター層比較
従来型ネット調査と「LINE リサーチ」の違いはデバイスの変化だけでないと先述した。同社が注目している従来型ネット調査と「LINE リサーチ」の違いは、アンケートモニター層にある。
同社は、モニターの実態を調査するべく「LINE リサーチ」と外部従来型ネット調査モニター2社を活用したネットリサーチを実施した(2017年8月)。調査の対象者は15~59歳の男女で、有効サンプル数は各社1,000だ。
セミナーでは、その調査結果としてモニター比較データが公開された。比較項目は、婚姻状況や仕事の有無、世帯年収、各種志向、アンケートへの回答頻度、在宅時間、友だちの数など多岐に亘る。そしてそれらの結果をまとめた代表的特性をまとめたのが下図だ。同じネット環境で行う調査であるにも拘わらず、こうした差異が出てくるのはなぜだろうか?