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SEOのためにコンサルやコンテンツ制作を依頼したい――発注者側が気をつけるポイントは?

 ソーシャルメディアでの検索がWeb検索に取って代わると言われることもありますが、むしろWeb検索の重要性は増しています。だからこそ、SEOに取り組む必要があります。そこでMarkeZine Academyでは「効果がすぐ出る!SEO×コンテンツ×リスクヘッジ講座」を4月19日に開講。講師の岡崎良徳さんに、講座のポイントを訊きました。

効果がすぐ出る!SEO×コンテンツ×リスクヘッジ講座

検索結果が劇的によくなったわけではない

――岡崎さんが担当される「効果がすぐ出る!SEO×コンテンツ×リスクヘッジ講座」は4月19日(木)に初めて開催される講座です。著書『効果がすぐ出るSEO事典』(翔泳社、2016年)の発売以降もSEOに関してはいろいろな問題やGoogleの対応などがあったので、SEOを意識されてる方は多いのではないでしょうか。そこでまずは、岡崎さんがこれまでどんな形でSEOに関わってきたのかを教えていただけますか?

岡崎:もともとWebの仕事や営業をやってきたんですが、SEOに関して最も経験を積めたのは、ネクスト(現LIFULL)に入社して地域情報サイト「Lococom」の運用に携わってからです。ネットで集客するうえでSEOは欠かせない施策なので、本格的に取り組みました。また、個人でもサイトを運営してSEOを実践しています。

 2015年からはSEO対策会社のユナイテッドリバーズに入社し、継続してSEOを仕事にしています。社会人になってから今までにおけるSEOの変遷はひととおり間近で見てきたと言えると思います。

――昔と今とで、SEOは何が変わってきたんでしょうか。

岡崎:ネット黎明期から2011年頃はスパムめいたSEOがはびこっていました。例えば、電話帳のデータをアップロードして住所録のようなページを大量に制作し、検索順位を上げたいサイトにリンクを張れば結果が出ていたんですね。そうしたテクニック、裏技だけで集客できていた時代がありました。

 ところが、2011年のパンダアップデートを皮切りにGoogle検索の性能が格段に向上し、裏技による対策が効かなくなりました。今でも細かいテクニックはあるんですが、普通のマーケティング的な考え方が大事になってきたというのが最近のSEOと言えます。

 ユーザーの検索意図を考えて、それに沿ってユーザーの利益になるコンテンツを作ることがSEO施策の中心になり、実際に集客につながるようになったのは、本当にここ数年のことです。

――2016年末くらいからSEOに関してネット上でさまざまな問題が指摘され始め、サイト運営者やGoogleの対応が始まりました。その時点から今にかけてはどんな変化がありましたか?

岡崎:2017年12月にいわゆる「健康アップデート」が実施されましたが、特定ジャンルのみへの適用であり、パンダアップデートやペンギンアップデートの導入時と比べるとそれほどのインパクトはなかったと感じています。

 また、信頼性の高い情報を上位表示させると謳ってはいるものの、いまだに文字数を稼いだだけのアフィリエイトサイトの記事が上位に表示されることもあったり、Googleの「情報の真偽を判断する力」はまだまだ発展途上と言えるでしょう。

 かといって正確性を重視しするあまり、官公庁や公的機関のページばかりを優遇するのも考えものです。一部のキーワードでそうした状況が見られますが、一般人には分かりづらい専門用語や堅苦しい表現が並んだページが上位を占める状況ははたしてユーザーにとって有益なのでしょうか。

Googleは健康アップデートの公表時に「専門家は一般人にわかりやすいよう情報を発信してください」と声明を出していますが、信頼に足る専門家の中でWebを通じた発信に熱心であるのは少数派でしょうし、さらにSEOに関心がある層はごく限られるでしょう。Googleのこの要望は絵に描いた餅という印象を受けました。

 ですので、直近の「健康アップデート」以降も、検索結果が劇的によくなったわけではないというのが私の所感ですね。

岡崎良徳さん
岡崎良徳さん:ユナイテッドリバーズ 取締役

SEOは農業

――本講座を受講してもらいたい方は、そうした情報も含めどれくらいの前提知識を持っておくといいのでしょうか。

岡崎テクニックだけで順位を上げられるといったような古いSEOの知識のままアップデートできていない方、あるいはSEOを少しかじったことのあるような方を想定しています。

 かじっているというのは、本を1冊読んだことがある程度ですね。コンテンツやタグが重要だと理解しているつもりでも、自社のサイトに適用しようすると具体的な施策に落とし込めない、効果が出ないと悩んでいるという状態です。

――では、そういった方は講座でどういったことを学べますか?

岡崎:まずはSEOの基本的な知識をお話しします。SEOとは何で、どんなときに必要なのかといったことです。そして実際の業務はどのように進めればいいのか、特に最も重要なコンテンツ制作に関する部分に重点を置いています。

 SEOもコンテンツ制作もすべて自社内で行うという企業はあまり多くないはずです。だとすれば、外注することになるでしょう。本講座のポイントは、まさにどういう会社にSEOやコンテンツ制作を発注すればいいのかということを詳細にお伝えするところです。

 世の中のSEO情報を見渡してみても、自分で取り組む際の方法論については豊富でも、信頼できる業者の見つけ方やどんなふうに発注すればいいのかという情報は少ないんです。実は、それこそSEOに取り組もうとしている方が必要な情報ではないでしょうか。

 あえて申し上げると、昔の裏技SEOを売りつけようとする業者もまだまだ多いんです。発注する際、相手のほうが詳しいと思っているとつい何でも信じてしまうかもしれませんが、「何十個のサイトを作ってリンクを張ると検索上位に表示されます」なんて言ってくる業者は避けなければなりません。

 では、どうやって相手が正しいことを言っていると判断するのか。そのために本講座を受講していただきたいんです。もちろん、発注者が古い知識しか持っていないと、先の「リンクをたくさん張る」といった方法を正しいと判断してしまいます。そうならないために、最新の情報を仕入れてもらいたいですね。

 それと、発注する際にも気をつけるべきポイントがあります。今のSEOは特定の期間内に目標の検索結果が得られるものではありませんし、集客にも時間がかかります。いわばSEOは農業のようなものです。長く根気強く継続して、やっと結果が出るので、「半年で検索結果1位をお願いします」という依頼は無茶ですね。しかし、逆に言えば小さなことの積み重ねが結果に反映されるようになってきたので、より面白い世界になってきたと言えます。

 講座内では自社サイトをSEOの視点で分析するワークも行いますので、まずは明日から改善していけるノウハウを得られると思います。そこから始めて、長期的な視野を持って取り組んでもらいたいですね。

Googleが目指すことを理解したSEOを

――2017年はオウンドメディアが取り沙汰された1年でもあり、SEOに関心のある方はどんどん増えているかもしれません。実際、どういうことをしていけばいいんでしょうか。

岡崎:オウンドメディアを立ち上げて、すでに更新が止まってしまっている企業も多いかもしれませんね。オウンドメディア自体は有効ですから、それこそコンテンツ制作を外注するタイミングと言えるでしょう。

 ただ、具体的にSEO対策をするとしても、Google検索のほうもまだ性能向上の余地が大きい状況です。例えば、「外資 転職」という検索キーワードであればユーザーの意図は明確で、Googleも適したページを表示してくれます。しかし、「外資」とだけ検索すると、転職に関したページが多く表示されますが、検索意図が明確ではないので非常にバリエーションに富んだ結果が表示されます。

 このとき、Googleはできるだけ関連情報の多いページを表示しようとするんですが、それを逆手に取ってとにかく多くのトピックを盛り込んで長文に仕立てたページが表示されてしまう現象が起きます。かつて問題になったテクニックですが、これがまだ通用してしまうんですね。

 健康アップデートではアルゴリズムに特別なチューニングが施されましたが、根本的には改善されていないと言えます。ですから、現状のアルゴリズムを踏まえたSEOよりも、Googleがどんな検索エンジンを目指しているのかを理解してSEOに取り組まないといけません

 Googleは検索した人が求めている情報を的確に返すことを最上位の目標としています。これは未来永劫変わらず、そのためにアルゴリズムを改良しています。

 では、我々はその目標に合わせて何をすべきなのか。一つは、Googleの検索エンジンが理解しやすいサイト構造にすることです。HTMLを正しく書く、パンくずリストをサイト構造どおりに設置する、といったことが挙げられます。これは従来からある対策ですね。

 また、自社の見込み客にとって役立つコンテンツを充実させること、自然リンクを増やすことも大事です。SEOというよりコンテンツ編集とマーケティングなんですが、実はここが肝なんです。

 コンテンツを作るには、まず見込み客にどんなニーズがあるのか知る必要があります。そのニーズをどうやってキーワードに落とし込むのか。そしてキーワードをもとにどうやって記事を作るのか。外注するなら、どうやって業者を選定すればいいのか。と、知っておくべきノウハウが続々と出てきます。

 自然リンクの獲得では、ソーシャルメディアでのシェアや露出が重要な役割を果たします。シェアされやすいコンテンツの作り方やタイトルのつけ方、Facebook広告の使い方といった、自然リンク獲得のための方法論もお伝えします。

――SEO担当者というよりWeb編集者やマーケターという意識が必要な気がします。

岡崎:たしかに、これらはWeb編集者やマーケターの仕事のように思えますが、私としてはむしろSEO目線が大事だと考えています。SEOはGoogle検索を通した集客という大きな目的があり、あくまでSEOのためにコンテンツ制作だと割り切る気持ちも必要です。講座ではどこまでもSEO目線でお伝えするつもりです。

 最近はソーシャルメディアや身近な人からの情報がWeb検索に取って代わったと言われることがありますが、例えばSEOのノウハウはソーシャルメディアにはありません。また、自分が知らない情報を必ずしも身近な人が知っているわけでもないでしょう。Web検索はなくなりませんし、逆に重要性は増しています。

効果がすぐ出る!SEO×コンテンツ×リスクヘッジ講座

※2018年3月29日修正:講座名を変更しました。
「発注者視点で学べる! SEO×コンテンツ×リスクヘッジ講座」

「効果がすぐ出る!SEO×コンテンツ×リスクヘッジ講座」

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この記事の著者

渡部 拓也(ワタナベ タクヤ)

 翔泳社マーケティング課。MarkeZine、CodeZine、EnterpriseZine、Biz/Zine、ほかにて翔泳社の本の紹介記事や著者インタビュー、たまにそれ以外も執筆しています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2018/03/29 17:39 https://markezine.jp/article/detail/27770