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MA・SFAはBtoBマーケの「部品」にすぎない。日本のマーケと営業が「気合」を卒業するために必要なこと

ABMの成功条件 BtoBマーケターは内助の功を卒業して営業と共同戦線を張ろう

ABMが成果を生まないケースの特徴

 ABMを成功させるために解消すべき課題として、山田氏は次の3つを挙げる。

  • 営業組織とマーケティング組織間のゴールがずれている
  • 見込み客に関するデータが集約されていない
  • リード定義が定まっていない(「いいリード」を論じた以前の連載も参照されたい)

 「営業組織とマーケティング組織間のゴールのズレ」でありがちなのが、「プロダクトマーケティングのチームが別にあり、ABMとミッションが揃わない」ケース。本稿の残りで解説していこう。

 「ABMに基づいて『特定企業を重点的に攻めろ(製品は問わない)』というミッションを持つ営業とマーケティングがいる一方で、『特定プロダクトを売れ(企業は問わない)』といわれている営業とマーケティングもいる。企業を重視するのかプロダクトを重視するのかで方針が矛盾すると、組織内で混乱が生じます」と山田氏。

 そのため、組織によっては慎重にABMを始める必要があるという。場合によっては「プロダクトマーケティング担当者のゴール設定や業績評価を変えていく必要があるケースもある」と山田氏はいう。

 たとえば、「売上目標は同じだが、重点企業との成約については評価を上積みする」など、プロダクトマーケティングの目標とABM目標を折衷させ、プロダクトマーケターが納得できるように目標を調整すると成功の可能性が高くなる。

 現実的なアプローチとして山田氏が推奨するのが、全ての製品の戦略に一元的にABMを導入するのではなく、ABMが効果的だと思われるいくつかの製品を束ねた「ソリューション群」を対象に、ABMを展開することだという。

 「自社の製品の売り方はABM手法がふさわしいのかを精査する必要があります。多様な製品を抱えている場合は、ABMでやるべきソリューション群、製品群は何なのかをきちんと考えて始めないと、うまくいかないでしょう」と山田氏は強調する。

 ABMの基本的な考え方がおわかりいただけただろうか。次回は、ABMの実践論を詳しくインタビューしていく。

連載「MA・SFAはBtoBマーケの「部品」にすぎない。日本のマーケと営業が「気合」を卒業するために必要なこと」記事一覧ページはこちら

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この記事の著者

末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

フリーライター

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/06/19 08:00 https://markezine.jp/article/detail/28224

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