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競合や代理店のアクセスに惑わされてない?ABM進めるKDDIのB2Bマーケターが指摘する「MAの罠」

KDDIが考えるB2Bマーケティングのミッションとは?

 そもそもBtoBマーケティングの役割とはなんなのだろうか。森本氏の所属するKDDIでは「後工程の生産性」をB2Bマーケティングのミッションとしているという。マーケティングチームはインサイドセールスチームに、インサイドセールスチームは営業にリードを渡していく。このプロセスを前提に、後工程であるインサイドセールスの生産性をいかに上げるか、を重視しているのだ。

 その中で特定の指標として「ECPA(Effective Cost Per Acquisition)」を活用していると明かす森本氏。個人情報を取得できればAcquisition(獲得)とみなすのではなく、「ターゲット企業の個人情報」のみをAcquisitionとみなすのだ。

 具体的には、KDDIではMQLをECPAの考え方でモニタリングしており「MQL\/Call」という指標を活用している。一回の架電でいくらのMQLを生み出せたかを金額ベースで見ていくことで、インサイドセールスの生産性を測るのだ。「架電数=人員=コスト」なので、一回の架電でより多くの金額に相当するMQLを生み出せれば、効率のいいマーケティングができていることになる。

「MQL\/Call」で成果を測るとABMの必要性が明らかに

 この「MQL\/Call」を活用して、各チャネルの評価を行うとどうなるだろうか。

 実は、セミナー、ホワイトペーパー、SEM・ディスプレイ広告来訪で作ったリストはいずれも効率がよくなかったのだ。では案件単価の高いところはどこなのかというと、大手企業だった。森本氏の担当するのは高単価のBtoB事業なので、コンシューマーとは異なり対象となるターゲット企業がかなり少ない。

 たとえば、従業員数500人以上の企業は東京商工リサーチのデータによると全体のわずか0.25%だという。そのような中、オファーを決めてから施策を展開してスコアリングをするというやり方では、競合やパートナーや社内といった、顧客になりえないユーザーに最適化することになってしまう。だからこそ、まずアカウントを選定し、施策を実施してから計測するというABMの手法が重要になるのだ。

本レポートの後半では、ABM実現のためのDMPやディスプレイ広告の活用法を解説する。

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この記事の著者

江川 守彦(編集部)(エガワ モリヒコ)

東京大学文学部を卒業後、総合広告代理店でマスメディアの媒体営業業務を経験し、出版社に転じて人文系の書籍編集に従事したのち、MarkeZine編集部に参画。2018年よりオーガナイザーとしてMarkeZine Dayの企画にも携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/06/20 09:00 https://markezine.jp/article/detail/28486

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