本記事では、IPアドレスと様々な情報を紐づけるデータベースを搭載したAPI「どこどこJP」を提供するGeolocation Technologyが主催したイベント「Meet Emotion!」から、KDDIのソリューションマーケティング部でB2Bマーケティングを推進する森本祐吏氏の講演「MAだけでない、デジタルでのABM実践」の内容をレポートする。
「MAだけ」では顧客以外のサイト訪問者に最適化する危険がある
森本氏はKDDIのソリューションマーケティング部でBtoBマーケティングを行っており、担当範囲はデジタルマーケティングの全体戦略からPaid Media、Owned Media、DMP周りまでと多岐にわたる。
「従来のマーケティングの第一の問題点は、MAによるメール施策への依存にあります。BtoBだとMAとよく言われますが、たとえば全3回のメールがクリックされる確率は、CTRが5%だとすると、0.05×0.05×0.05=0.000125なので0.0125%です。つまり1万人換算で、1.25人にしかメールが届いていないということです」(森本氏)
これはかなりのリスクなのではないか、と森本氏は指摘する。事実、全3回のうち1回もメールコンテンツをクリックしていない人については、95%×95%×95%で85.73%もいることになる。
第二に、実際にホームページに来ているユーザーをツールを使って分析をすると、大半が競合他社や販売代理店、自社のユーザーで、お客様になる方はほぼいないことがわかることもあるという。このことを見ても、MAだけでは成果をアップさせることが難しいと想像がつく。