「アドフラウド」という言葉が出る以前より対策
MarkeZine編集部(以下、MZ):まず、お2人の職責と役割を教えてください。
金子:私は取締役として、スマートフォン向けアドネットワーク「Zucks Ad Network」に関する事業責任者を務めています。Zucksはアドネットワーク事業者として広告主向けには広告効果の最大化、メディア向けには収益の最大化を実現するサービスを提供しています。
弊社のアドネットワークの特徴としては、自社内で開発から運用まで一括して行っている点で、特に運用に関しては、オプティマイズ機能を活用した自動運用と専任トレーダーのノウハウを活用した手動の運用で効果を最大化しています。
前田:私は、アドネットワークのサービス開発を担当しています。自社開発のため、アドフラウドに関する対策もその言葉が定着する前からいち早く察知して取り組んでいました。
MZ:どのような取り組みを行っていたのですか。
前田:「アドフラウド」という呼称・名称が定着する前から、不審なクリックなどがあることはデータ上でわかっていたので、それに対して逐一対策を取ってきました。
MZ:不審なクリックなど、どのような基準で「おかしい」と判断していましたか。
前田:一番わかりやすいのは、明らかに「ヒトではない傾向」ですね。具体的には説明できませんが、ヒトではないクリックが大量に発生しているメディアの特徴を複数の調査結果から複合的に判断し、配信停止処理を行ってきました。
求められる業務効率化とコスト削減
MZ:今回、自社での対策だけでなく、Phybbitが提供するアドフラウド対策ツール「SpiderAF」を導入して対策を始めたとのことですが、その背景について教えてください。
金子:最初に紹介したとおり、自社に開発・運用組織があるのでアドフラウド対策もデータ上で不審な動きを検知した時点でその都度対応するという体制でした。
決まった業務フローがあるわけではなく、対応できるスタッフも限られているというのが大きな課題でした。つまり手間や時間、コストがかかる上に対応できるスタッフが固定化され、属人化していたので、何か解決手段はないかと考えたのが導入のきっかけでした。
前田:属人化されていたという課題は大きかったですね。明らかに不審な動きがあって、広告詐欺、不正だとわかってもスピーディーに対応できるのが限られたスタッフで、それをチームで共有できなかったという課題がありました。
MZ:「SpiderAF」を導入した際、Phybbitに対し機能改善などのフィードバックも積極的に行ったと聞いていますが、いかがですか。
金子:最初、「SpiderAF」でどの程度アドフラウドを検知できるかというレポートをトライアルで出していただきました。その内容がとても良かったので、さらに良くするためのフィードバックを行い、導入後も積極的にやり取りさせていただいています。