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ポストGDPRの広告運用とは?プログラマティック広告への影響と課題

2018/07/06 09:00

 アタラ合同会社が運営するメディア「Unyoo.jp」から、コラムやキーパーソンへのインタビュー記事をピックアップして紹介する本連載。今回は、2018年5月16日から17日の2日間にわたり英国・ロンドンで開催された「Programmatic Pioneers Summit」のレポートを紹介します。

GDPR施行後、プログラマティック広告の世界はどう変わるのか?

  プログラマティック広告に関するカンファレンス「Programmatic Pioneers Summit」が、2018年5月16日から17日の2日間にわたり、英国の首都ロンドン市で開催されました。

 会場はHilton Canary Wharf。ロンドン東部にある大規模ウォーターフロント再開発地域のCanary Wharf(カナリーワーフ)に位置するこの会場に、プログラマティック広告に関する最新情報を求めてヨーロッパ中から関係者が集まってきます。

会場のHilton Canary Wharf

 2日間にわたって10以上のテーマに関するセッションが行われました。その形式もキーノートやパネルディスカッションだけでなく、ワークショップ形式や少人数制のラウンドテーブルなどインタラクティブなものも数多く用意されていました。

 筆者は10以上のセッションに参加しましたが、どのセッションにおいてもGDPR(General Data Protection Regulation/欧州一般データ保護規則)が必ず話題に上がっていました。カンファレンスの開催地がロンドンであることはもちろん、開催期間がGDPRの施行直前ということも影響していたかと思います。

 本カンファレンスを通して、GDPR施行後(ポストGDPR)のプログラマティック広告の世界がどのようになっていくのかGDPRをきっかけに世界の広告主や代理店はどのようにユーザーと向き合っていくべきかということについて、筆者が感じたことを実際のセッションの内容も交えながらご紹介していければと思います。

GDPRがネット広告産業に影響を与える3つのポイント

 GDPRの詳細については本記事では割愛しますが、IABでは以下のように概要を説明しています。

The GDPR establishes new requirements on companies that collect, use, and share data about EU citizens. As of May 25 2018, all companies handling data of EU citizens must adhere to these new data privacy and security measures, regardless of whether the organization is located within the EU or not. Companies that fail to comply with these new rules could be subject to fines as high as 4% of annual global revenue.

GDPRは、EU市民のデータを収集、活用、共有する企業に対して新たな要件を定めています。2018年5月25日に、EU市民のデータを扱っているすべての企業は、その組織がEU内外に設置されているに関わらず、新たなデータプライバシーや安全対策を遵守しなければなりません。これらの新しいルールを遵守しない企業は、グローバルでの年間売上の4%に相当する罰金を科される可能性があります。

 GDPR施行以前は、EU市民のプライバシー保護を目的としたEU Data Protection Directive(EUデータ保護指令/以下、DPD)が存在していました。DPDは施行されたのが1995年ということもあり、現在のユーザー環境においても個人情報保護を実現できるように、GDPRに置き換えられたかたちとなります。

 このため、用語の定義もより詳細に修正(もしくは追加)されており、なかでも以下で紹介する3つがネット広告業界に与える影響は大きいといいます。

 ひとつは、対象となる個人データにIPアドレスやCookie IDが含まれるようになることです。これまでは名前やEメールアドレス、電話番号、住所などが個人データとして定義されていましたが、識別できるもしくは識別可能なデータはすべて個人データに含まれるようになります。

 次に、個人データ利用の合意形成に対する高い水準です。GDPRでは「by a statement or by a clear affirmative action(声明もしくは明白で積極的なアクション)」を通してユーザーの「unambiguous(明確な)」な意思表示を得ることを合意の条件としており、これらの文言がなかったDPDと比較して厳格化されています。この条件に照らし合わせると、チェックボックスにもともとチェックがしてあるオプトアウトモデルは合意とみなされない可能性が非常に高いです。

 最後に、新しいコンセプトとして「Profiling(プロファイリング)」が紹介されている点です。具体的には、ユーザーの仕事でのパフォーマンスや経済状況、健康状態、個人的趣向、興味、信頼性、ふるまい、場所や移動等を分析、予測するための自動化された処理がこれにあたります。広告のターゲットとするオーディエンスデータを個人データを基に作成することも該当し、これらのプロファイリングについてユーザーは企業に対して反対を訴えることができます。

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